2020年12月31日木曜日

御節づくり

我が家の御節は姉と妹と私の持ち寄りです。
大晦日にうちに集まって、各々のお重に詰めます。

特に決まりは無く、それぞれが作りたい物を作ります。
でもなんとなく、あれはお姉ちゃんが作って…あれはあの子が作るから…みたいな、暗黙の了解みたいなものがあったりします。

私は毎年、棒鱈や数の子、ごまめ、栗きんとん、なますなど、祖母が作ってくれていたような物をつくりますが、洋風なのがあったり、中華っぽいのがあったりでとてもバラエティー豊かに仕上がります。

今年はこんな感じにできあがりました❤

【by坊守】

2020年12月26日土曜日

正信偈のお話 十六④

善導独明仏正意 矜哀定散与逆悪
光明名号顕因縁

唐の都・長安はシルクロードを通して交易が栄え、街には金銀や絹商いの店などが軒を並べ、酒肆(しゅし)には歓楽の声があふれていました。

そのような国際都市・長安にはあらゆる人種が集まりました。
同時にキリスト教(ネストリウス派=景教
(けいきょう))、ゾロアスター教、マニ教、イスラム教などが伝わり、それらの教会も建立されるほど初期の唐は外来の宗教に対して寛容でした。
仏教も国の保護を受け栄えます。

日本も遣唐使を送って文化交流を行い、空海、最澄は最先端の仏教を学ぶため長安を訪れています。

このような時代社会の中で善導(ぜんどう)は仏教の真実を明らかにし、浄土教を大成しました。

2020年12月22日火曜日

冬野菜をいただきました

お参りから帰った住職が「お~い!野菜取りに来て~」と私を呼びます。
お正月を前にしたこの時期に大根や白菜等の冬野菜をいただくのはとてもありがたいです。

今日は直接お寺にも台車に野菜をたくさん乗せてご門徒さんが訪ねてくださいました。
里芋にお米にもち米まで♪

里芋はさっそく煮物にしていただきました。
ホクホクでとても美味しいお芋さんでした。
もち米は本堂の鏡餅用に使わせていただきます。

みなさまの汗と真心のこもったお供えに感謝です。

【by坊守】

2020年12月20日日曜日

年末年始の行事のお知らせ

新型コロナウィルスの感染拡大は未だ終息を見まません。
よって役員会において協議した結果、以下の理由により年末年始の行事は中止とさせていただくこととなりました。
ご理解の程、何卒よろしくお願い申し上げます。

●修正会
例年大晦日の午前0時より元旦のお勤めを行っておりますが、真冬の深夜の寒気が厳しい時間に換気のため本堂の戸を開けた状態での法要は参拝者のご負担が大きく、コロナでなくとも健康を害する心配があり、よって内勤め(僧侶のみによる勤行)とさせていただきます。
※元旦の日中は例年通りお参りいただけますように本堂は開けています

●新年会(婦人会の新年会も含む)
例年お正月に新年会を行っておりますが、多数でのマスクをとっての会食は控えるべきコロナ対策ですので、この度は中止とさせていただきます。

2020年12月15日火曜日

寺報12月(裏) ―住職雑感―

自分の中に染みついた行動というのは考えより先に出てしまうことがありますよね。

長年お参りさせていただいているお宅のご主人さんが昨年、介護施設に入所されました。
月に何回か自宅にお戻りになられるのですが、なかなかお参りの日に重なりません。
それが先月、ほぼ一年ぶりお顔を拝見することができました。

「お久しぶりです。どうしてはりました」と声をかけると、車椅子に座るご主人さんはニッコリ。
嬉しくってその手を取って握りしめながらしばし歓談させていただきました。
で、「またお会いしましょう」と手を離した時にハッ!コロナやのに高齢者に濃厚接触してもうた!つい・・・。

ハグしたり握手をしたり肩をたたき合ったり、スキンシップは言葉以前からある人間の愛情表現。
そんな当たり前の事が気兼ねなくできる世の中に来年は戻ってくれることを心より祈ります。

2020年12月14日月曜日

ウルトラマンさん、どうされました?

お参りに行ったご門徒さんのお宅の玄関にこんなディスプレイが!
ご主人さんの趣味みたいですけど、なかなかお茶目な方です♪

自分の車の調子が悪くて困っているのか?
それとも整備工場で働いているのか?
ウルトラマンの知られざる一面を見た気がしました(笑)。

2020年12月6日日曜日

代務寺院の報恩講

昨日今日と二つの代務寺院の報恩講をお勤めしました。

11月の願隨寺の報恩講の頃はまだ顕著ではありませんでしたが、その後コロナ感染拡大の第三波を予感させる状況になってきました。

なので、どちらの法座もいつもよりも短時間で、換気のために開け放した状態で行いました。
12月に戸を開けてのおくのは辛かろうと心配しましたが、幸いにもこの時期しては暖かい一日に恵まれました。


報恩講をどうするか、各お寺の役員さんはさぞかし悩まれたことと思いますが、こうして工夫してでもお勤めしようとしてくださるお心の尊さに手を合わせるばかりです。

一日も早くコロナ終息し、心やすく人が集まる事ができる日がきますように。

【by坊守】

2020年12月1日火曜日

寺報12月(表) ―坊守エッセイ―

昨年の暮れ、御門徒さんの奥様から分けて頂いたツワブキが黄色い花を咲かせました。
山門の横と庭の南天の下に植えたのですが、冬の寒さにも、この夏の猛暑にも耐えて少しずつ新しい葉っぱを増やして根付いてくれました。
元は条件の良い門徒さん宅のお庭で沢山で咲いていたのにようこそ願隨寺にお越しくださいました。

今、コロナをきっかけに世の中がどんどん変わってきているように感じます。
外出時にマスクをする習慣も、お店のレジのビニールシートも、外食時のアクリルパーテーションも、始めは異様な景色に感じたものですが、今では当たり前の風景になりました。

本堂での法要の入堂時に検温させていただくことも、参加者名簿に名前を書いていただく事も、皆さん当然のように協力してくださいます。

多くの事に注意して我慢しなければいけない時代ですが、それぞれにできる事をして日々を過ごしてゆくよりありません。
皆さまどうぞご無事にお過ごしください。

【by坊守】

2020年11月29日日曜日

正信偈のお話 十六③

善導独明仏正意 矜哀定散与逆悪
光明名号顕因縁

唐が興ったのは六一八年、善導(ぜんどう)が五才のときです

その後、高祖、太宗、則天武后、玄宗などの王の治政によって民衆の生活は安定していきました。

唐の首都、長安は、文字通り世界的都市になりました。
長安の人口は玄宗皇帝の頃には100万人以上にふくれあがります。
ちなみに八世紀のヨーロッパ第一の都市ローマの人口が45万、パリ20万、ロンドン13万といいますから、長安がいかに大都市であったかがうかがえます。
日本の平安京はこの長安をお手本にしましたが、規模は四分の一にも満たないものでした。

2020年11月24日火曜日

『Withコロナ時代のネット活用術』講座

坊守(お寺の奥さん)会で毎年学習会を行っているのですが、コロナ禍で大人数での開催は難しくなってきました。
ちまたでは対策としてリモート会議やオンラインによる講義の配信が行われるようになってきましたが、私たちにはなんのことやら…。

そこで教区の「出向く教化」を活用して、ホームページ委員会さんにお越し頂き『Withコロナ時代のネット活用術』というテーマで学習会を開催しました。


講師の先生はパワーポイントを使い初心者にもとてもわかりやすい説明をしてくださいました。
また、実際にスマホを使っての検索クイズなど、受講された坊守さん達が楽く参加できるようにもしてくださいました。
Zoom体験では、アプリ取得からご指導してくださり、その場のみんなで実際にルームを作って体験してみることができて、こんな感じになるんや~と実感できました。

あと、委員会が持ってきて下さったYouTuberなんかが使っているという丸い照明が「女優ライトやん♪」だと大ウケでした(笑)。

27組坊守会のため遠方までご足労いただきました教区のみなさま、本日は本当にありがとうございました。

【坊守】


2020年11月22日日曜日

寺報11月(裏) ―住職雑感―

今年はウンカという虫の被害で稲作に多くの被害が出ています。
コロナ禍でも農作物は関係ないと思っていたのに、あちらもこちらも大変です・・・。

ところで人から見れば害虫でも、虫にも命はあります。

昭和の初め頃までは、稲につく害虫を追い払うことを祈願し村人が松明を灯しながらお経や呪文を唱えながら練り歩く「虫送り」という仏事が全国で行われていました。

ただし、駆除された虫を供養する意味もありました。
そこが仏事たるところです。
害虫か益虫かは人間の都合。
その都合で殺してしまうことに申し訳ないという命の感覚を昔の方は持っておられたのですね。

このところの熊の被害についても、被害者の方には心よりお見舞い申し上げますが、熊も人間によって生態系を壊され生きづらくなった被害者。
人間の都合によって駆除された熊の命を悼み供養していただけないものでしょうか。

2020年11月20日金曜日

長島愛生園創立90周年記念式典

国立療養所長島愛生園の創立90周年記念式典に参加してきました。
長島愛生園は、1930年に設立された国が作ったハンセン病療養所の第1号です。
当然治療目的でもありましたが、同時に誤った隔離政策に基づく目的ももっていたことから、入所者とそのご家族の方々に多大なる苦労を与えた施設でもありました。

向かう途中、昼食をとっていると偶然同じ教区のハンセン病問題の委員会の方にお会いしました。
「○○さんも出席されるんですか?」
「私は入所者の□□さんが亡くなられたんでそのお悔やみに。だいたい記念式典なんてお祝い事やないし、私は出ぇへん」
確かにその歴史を考えると複雑な思いを抱くのも然もあらんとは思います。

さて、私は今年から「差別をなくす奈良県宗教者連帯会議(奈宗連)」の議長に就任していますので、その代表として招待されました。
奈宗連では長島愛生園に桜の植樹を行ってきました。
そのことへの感謝を表してということなのですが、本来でしたらその活動を長年続けてこられた先輩方こそ出席に相応しいと思いますので、大変申し訳ない気持ちでの出席でした。

感謝状の贈呈はコロナ禍ということもあり、奈宗連とも関わりの深い「架け橋 長島・奈良を結ぶ会」会長の稲葉様が代表者としてお一人だけ壇上に上がられました。


式典の山本典良園長の挨拶では、新型コロナウィルス感染拡大の中で相変わらず差別が横行し、これまでのハンセン病問題が社会に十分に活かされない無念さを語られていました。
負の歴史から現在、未来へいかに学んでいくか。
確かに祝い事の記念式典ではないのですが、そのことをしっかりと確認するための式典としては意味のあるものだったと思います。

2020年11月17日火曜日

吊し柿

銀杏拾いのついでに収穫してきた渋柿を干しました。

こちらも銀杏同様、今年は不作のようです。
いつもの四分の一くらいでしょうか。50個くらいしかとれませんでした。

たまたま寺に来ていた母が「半分ちょうだい!」と言ったので今年の干し柿は25個しかつくれませんでした。
まあこういう年もありますね。

夕日に光る干し柿が美しいです。
【by坊守】

2020年11月16日月曜日

銀杏泥棒

今年も代務寺院の銀杏を拾ってきました。
でも何だかおかしいんです!

木にはたくさん銀杏がなっているのに、一つも落ちていないなんて日も…。
いつもなら木の下にたくさん落ちているのに?あれ?誰か拾いに来てるのか?と思うほどです。

変だなぁと思っていたところ、とうとうその謎の証拠?を見つけました。
種ごとかじられた銀杏の実が落ちていたのです。
これは何か野生動物が食べているに違いない。

ご門徒さんの話も参考にして調べてみると、どうやらアライグマが怪しい…。
他の動物はあまり手を着けないし、人間は苦労してやっと食べれるようにするのに彼らはいけちゃうみたいです。

来年はアライグマに負けないようにするぞ~。

【by坊守】

2020年11月13日金曜日

報恩講勤修

新型コロナウィルスの日々の感染者数は低空飛行のままですが、ソーシャルディスタンス、換気、除菌、検温を徹底し、規模縮小ではありますが願隨寺報恩講を勤めさせていただきました。

参勤法中は少なく、お勤めの迫力はいつもほどではありません。
法話の講師の先生もお招きせず、住職が短めに行いました。
ここ数年行っておりましたミニコンサートも中止。
そのような中でも、数名の御門徒さんがお参りくださり、お仏事を大切にしてくださる思いに本当に心打たれたことでした。

縮小版になってしまいましたが、例年通りきちんと報恩講をお勤めできましたことを改めて感謝申し上げます。

【by坊守】

2020年11月3日火曜日

寺報11月(表) ―坊守エッセイ―

斑鳩町では法隆寺、法起寺、法輪寺、藤ノ木古墳周辺でコスモスが花盛りです。
これは「歴史的景観と自然環境や田園風景が一体となった斑鳩の里の風景・景観を保全するため」近隣の農家さんの協力を得て栽培されているそうです。

この夢見るように美しい一面のコスモス畑を見ていると「人見るもよし 人見ざるもよし 我は咲くなり」という武者小路実篤の言葉を思い出します。
精いっぱい咲く花の力強さと潔さが感じられ、私の好きな言葉なのですが、「天与の花を咲かす喜び 共に咲く喜び」という言葉の後に続くのだということを最近知りました。

自分で勝手に花咲かせているのではなく天から願われて咲いていて、共に咲く同朋とそれを喜んでいるというのですね。
人の目はどうあれ季節が廻れば共に咲く花ように、私たちも天から願われている命を共に咲かせたいものですね。

斑鳩の郷のコスモスは十一月初旬頃まで見ごろだそうです。こちらは気にかけて見てあげてくださいね(笑)。

【by坊守】

2020年10月30日金曜日

正信偈のお話 十六②

善導独明仏正意 矜哀定散与逆悪
光明名号顕因縁

善導(ぜんどう)大師が生きたのは、道綽(どうしゃく)より半世紀ほど後の、隋(ずい)から唐の時代にかけてです。

二世紀半にわたる南北の分離と異民族による北方支配を終えて統一国家・隋ができたのは五八九年でした。

これによって中国の文化は諸民族の文化や政治システムと結合して新たな段階へと発展します。
諸外国との交流が盛んになり、世界的国家としての中国には西域諸地方、インド、東南アジア、日本、朝鮮などとからの往来が頻繁に行われました。

しかし、煬帝の財政上の失敗と高句麗に対する侵略戦争の敗北によって人民の反抗にあい、わずか四十年たらずで主権は唐に移りました。



2020年10月20日火曜日

寺報10月(裏) ―住職雑感―

お彼岸、お墓参りされましたか?お一人で?家族と一緒に?

「がいこつに なっても すきだよ こんど くるまで まっててね(五歳)」

「なくなられた人にお手紙書いた いちばん大きいお兄ちゃんの はやと君 いまなら 大学二年生 二十歳 おへんじはこない 大好きなはやと君 一回あってみたい ずっと天国でわたしたちを みまもっている わたしの顔も声もなにもしらない わたしのあったことのない お兄ちゃん(小三)」

紹介した詩は二十年前の詩集のものです。
今の子どもたちもこんな風に亡き人を思う心をもってくれているのでしょうか・・・。

心はご縁によって育てられるもの。亡き人のことを想うという普段にはない機会を与えてくれるのがお彼岸のような年中行事の有り難いところです。
お墓参りに限らず、是非お仏事は家族みんなでご参加ください。

2020年10月14日水曜日

報恩講のご案内

私たち真宗門徒が宗祖と仰ぐ親鸞聖人は1262年(弘長2年)11月28日に、そのご生涯を終えられました。 宗祖が果たされたお仕事の大切さを讃え、文字どおり恩徳に感謝し報いるためのおつとめが報恩講です。

ご先祖さまより受け継いできたお念仏、真宗の教えを今一度いただいて、一人ひとりが自らの生活を振り返り、宗祖親鸞聖人の教えの意義を確かめる、一年で最も大切な御仏事です。

[日時]2020年 11月13日(金) 午後2時

[講師]今年はご講師は招かず住職が務めます

例年、報恩講に引き続き、「讃仰の夕べコンサート」を開催していますが、今年は中止させていただきます。


○おみがき講

[日時]2020年 11月7日(土) 午後1時

報恩講の準備として、仏具の一年の汚れを門徒の手で磨き、仏さまへの感謝を表します。万障繰り合わせてご奉仕いただけますようよろしく願い申し上げます。



2020年10月11日日曜日

こんなお返し頂いちゃいました♪

徒歩数分?くらいのご近所にある生き生きプラザで週に1回ヨガに通っています。

先週、ヨガマットを抱えてエントランスに入ろうとすると、同じヨガ教室に通う奥さまが「うっかりヨガマットを忘れてしまって」とお困りの様子…。

「私ちょっと取ってきますんで、待ってて下さい!」と、寺まで走って帰って予備のマットを持ってきて貸してさしあげました。

そして今週。
ヨガ教室が終わって帰りに先週ヨガマットを忘れられた奥さまに呼び止められ、お礼にとアクリル毛糸のイチゴを頂きました!
カワイイ!(・∀・)♡

汚すのがもったいない気もしますが大事に使わせていただきます。

【by坊守】


2020年10月7日水曜日

講演会の撮影のお手伝い

昨日、教区坊守会のお手伝いに行ってきました。

コロナのせいで多くの行事が中止あるいは縮小になっています。
坊守会主催の講演会も例外ではなく、役員と一部希望者のみの聴講とし、会員のみなさんには録画したものをウェブで聴講していただくことにしたようです。

ただし自分たちでは録画や編集、YouTubeへのアップができないので、教区のホームページ委員会へ協力の要請がきました。

受けたときは「えぇ、行かなあかんの~」と言いつつも、そこは各分野のオタクの集まり!
現場での機材のセッティング、テスト、撮影本番では、ああだのこうだのマニアックな会話が飛び交い、実に活き活きとしていました(笑)。
私も新しく買った機材をいろいろと試すことができてとても有意義でした。

それに、職員が用意していたiPhoneは熱で途中で止まってしまって、私たちがいなかったら配信ができない事態になってたところです。
うちらがいて本当によかった、よかった。

さて、講演会終了後の坊守会のミーティングでは、坊守会長の「今後は自分たちでできるようになりたいと思います」との発言に、みなさん「そんなの私たちだけじゃ無理~」となったそうです。
そこへ会計さんが「そんなの主人に言って来させるわ」と一言。
そうなんです、会長、副会長、会計の三役の連れ合いは三人ともホームページ委員会の委員なんです。
私もその一人・・・。

ということで、今後も「えぇ、行かなあかんの~」と言いつつお手伝いにいそいそと出かけることになると思います。
まぁこの件は、教区のお仕事というより嫁さん孝行ということで頑張ります。

2020年10月5日月曜日

寺報10月(表) ―坊守エッセイ―

私の名前は父から一字、母から一字貰って「敏美」です。

小学生の頃「名前の意味を聞いてきましょう」という宿題が出たので親に聞いてみたところ「チャッチャとして美しい子」言われ、子ども心にも「?」な返答。
友達の名前にはそれぞれ意味や願いが込められていてそれが何だか羨ましく、親の名前を一字ずつ順番に付けられただけの自分の名前がつまらなく思えました。

しかも姉や妹に比べて「可愛くない名前」だと思い込んでいてあまり好きになれなかったのです。

先日、祖母の十三回忌が勤められました。
仏前に並べられたお供え物の熨斗に親族の名前が並びます。

私の父は自分の母親よりも先に亡くなっているのでこの場に父の名はありません。
けれど仏前に並んだ姉「直美」と私「敏美」にある「直敏」の字をじっと見ていると、父も私達を通してちゃんとこの場にいるのだと思えました。
これまであまり好きになれなかった名前でしたが、父の一字を貰った嬉しさに手を合わせることができた日となりました。
【by坊守】

2020年10月3日土曜日

お米の収穫前に大変なことになってます


今年の猛暑は凄まじく9月に入っても真夏並みだったせいか、彼岸花の開花が例年より遅れました。
お彼岸より一週間後ぐらいが盛りだったような気がします。

毎朝、すずを連れて散歩に出かけて歩く農道から見る田んぼに例年にはない枯れた部分があります。
「あぁ、これも暑さのせいかなぁ」と思っていたら然に非ず・・・。

お参りに伺った農家さんが「田んぼの中に所々枯れてるとがありますやろ。」
「はい、見ます、見ます。どうしたんやろうなぁって思ってました」
「今年はウンカの被害が出てますねん!」
はぁ、なるほど、あれってそうだったんですね。

帰って検索してみると、大変なことになってました!
米の収穫期を前に、県内の水田で害虫・トビイロウンカの被害が急拡大しているそうです。

>9月以降、汁を吸われた稲が黄色く枯れて倒れる「坪枯れ」が県内全域に広がっており、

これか! 坪枯れって言うんだ。
トビイロウンカは毎年梅雨の時期に中国大陸から風にのって飛来する体長約5ミリの害虫・・・ふむふむ・・・稲の汁を吸って枯らす・・・か。

>JAならけん(県農協)によると、「少なくとも平成以降で最悪の被害規模」。収穫直前で農薬が使えないばかりか通常の薬ではほとんど効かないといい、10月2日に臨時の全県調査をした県病害虫防除所は「時間とともに被害は広がる。米粒がまだ小さくても収穫を前倒ししてもらうしかない」と話している。

ご主人さんがおっしゃるには、地域によって差があるらしく、この近辺でいえば田原本や広陵町はかなり酷いとのこと。
「うちの辺りはまだマシな方なんで、今のうちに刈りたいんやけどそうはいきませんねん」
収穫には段取りがあるので思いついたらできる訳ではない。
そしてなにより、最近は兼業農家が多く収穫に合わせて息子さんらに手伝いに帰ってきてもらうお宅がほとんど。なので、急に日程を変更すると向こうの予定が合わない・・・だそうです。

県農業試験場の談では「大発生の原因は不明だが、今年はとにかく虫の数が多かった」とのこと。

やはり暑さのせいかどうかは素人には分かりません。
でもコロナで経済的打撃を受けている上にこれは辛いですね。
少しでも被害が少ないことを祈るばかりです。

2020年10月1日木曜日

すずちゃんの手術(;ω;)

最近すずちゃんが大人しくなったような気がしていました。

ゴールデンレトリーバーは7歳から老犬の域に入ると聞いていたので、体調に気を付けてあげないといけないなぁと思っていた矢先の事です。
すずちゃんのご飯の食べ方がいつもと違う・・・。

全部食べるには食べるのですが、いつものようにガッつかない。
どうしたの?しんどいの?と心配していた次の日、朝から元気がありません。
体を触ると「キャンッ」と悲鳴を上げるのです。

慌てて受診すると検査の結果「子宮蓄膿症」であることがわかりました。
先代ワンコのアンジュも患った病気です。
即入院して緊急手術をすることになりました。
幸い発見が早く翌朝には退院できたのですが、お腹の傷と首のカラーが痛々しいです。

これからも健康に気を付けて見守ってあげて長生きしてほしいと思います。

【by坊守】

2020年9月30日水曜日

寺報9月(裏) ―住職雑感―

世界最大のバレエコンクールであり若手の登竜門とされるユース・アメリカ・グランプリもコロナ禍で中止だそうです。

優勝候補とされた一人の女性ダンサーは世界中の有名なバレエ団から今後のオファーが寄せられていたにもかかわらずバレエ界から去りました。
あぁ、コロナのせいで夢が途絶えてしまったのかな、可哀想に・・・そう思ったのですが、さにあらず。
お母さんがお医者さんとのことで、みんなのためにコロナと戦い続ける姿を見て、自分もそういう生き方がしたいと一転!医学の道へ進むのだそうです。

かつてロシアのE・イシンバエワは体操選手を目指していましたが、身長が伸びすぎて競技を断念しました。
しかしあるコーチに才能を見いだされて陸上へ転身し、今も破られない女子棒高跳の世界記録保持者になりました。
彼女は言います。「人は必ずしも始めた場所で終わる必要はない」

夢に描いた夏ではなかった多くの若い競技者たちを、彼女たちの生き方が勇気づけてくれればと願います。

2020年9月27日日曜日

コロナ禍でのお楽しみ会

自治会福祉会のお楽しみ会に参加してきました。
本当は住職が福祉会の会計をしているので参加すべきところなんですけど、こうした行事は土日に行われることが多く、お寺はむしろ忙しくて住職は休めません。
なのでこういう時は、いつも私がお財布を持って代わりを務めています。

さて、福祉会では毎年参加者を募って県内もしくは近隣の県への日帰り旅行を企画するのですが、今年は新型コロナウィルスの流行が未だ治まらず、開催するか否か役員さんたちは随分と悩まれたようです。

でも、何もかもなしで地域のつながりをなくすのもどうか・・・。
というわけで今年は、コロナ対策のガイドラインを守りながら、町内で楽しめる行事となりました。

先ずは、法隆寺門前の布穀薗でゆっくりお食事。

そして近すぎて普段は通り過ぎてしまう法隆寺門前をのんびり散策。

その後、斑鳩寄席を見る為いかるがホールに移動。
いかるがホールでは消毒、検温、座席も一席空けて座るという徹底ぶりでした。

久しぶりに自治会の皆さんとお会いして、食べて笑って、楽しい時間を過ごすことができました♪
早く気兼ねなくみなさんとご一緒できる日が来て欲しいなぁ。

ところで、斑鳩寄席って、私は初めてでしたが毎年開催されているのですね。

前説をされた桂坊枝さんが毎年出演者を決めているとのことでした。 

前座の笑福亭鶴田さんの「みかん屋」は元気よく。
坊枝さんの「ちりとてちん」は腐ったお豆腐を食べるしぐさが秀逸の熱演!
桂枝女太さんの「はてなの茶碗」、笑福亭枝鶴さんの「初天神」はさすがの貫禄で、全部知っているお話しでしたが、寄席で聞くのはまた一味違いますね。

あえて少しだけ言わせていただけば、「みかん屋」は登場人物のトーンが同じだったかなぁ。
そして「初天神」は舐めたりなんたりの表現がちょっと汚すぎたかなぁ。
な~んて、素人の感想として聞き流してください(笑)。

【by坊守】

2020年9月25日金曜日

畠中咲菫書展

畠中咲菫先生の個展に行って来ました。

息子さんの連れ合いさんが一週間お手伝いにきてくれているようです。 三人で楽しく歓談(息子さんは会議中にいつも落書きしていることをチクったりとか(笑))させていただきました。

写真は上から「如来」「至心」、「白骨の御文」、「歎異抄」です。

一番下の写真は「我在中蓮不知蓮」。 前回の個展で気に入って私が購入させていただいた作品の別バージョンです。

先生のご意向で作品の写真は取り放題、SNSにUPし放題です。
でも先生本人の写真を撮り忘れたんですよねぇ。 地下鉄の駅で気づきましたが、雨の中を戻るのも大変なのでそのまま失礼しました。(-ω-;)


京都市本能寺前町のアートスペース余花庵にて明後日9月27日(日)まで行われてます。 是非お訪ねください。

2020年9月23日水曜日

正信偈のお話 十六①

善導独明仏正意 矜哀定散与逆悪
光明名号顕因縁

善導(ぜんどう)(ひと)り、仏(ぶつ)の正意(しょうい)を明(あ)かせり。
定散(じょうさん)と逆悪(ぎゃくあく)とを矜哀(こうあい)して、光明(こうみょう)名号(みょうごう)、因縁(いんねん)を顕(あらわ)す。

【意訳】善導(ぜんどう)大師よ、インドから中国へ渡った浄土の教えの歴史の中で、あなただけが『観無量寿経(かんむりょうじゅきょう)』の教えの中に仏(みほとけ)の深い心をさぐりあて、明らかにされました。

(じょう)や散(さん)という修行や善にはげむ善人と、逆らい悪をなす悪人とを等しく迷う人と哀しみ、仏の智慧の光に出遇い、仏の名(みな)を聞き称えるならば、それが因縁となって、心をひるがえし、目覚めていく道があることを明らかにされたのです。



2020年9月17日木曜日

ホテイアオイの花

ホテイアオイが咲きました!

先月、ご門徒さんから頂いた時、手水鉢とメダカ火鉢に分けて入れたのですが…どういう訳か発育が全然違います。

手水鉢は自然石なので水温が安定しているのか?
紅梅と葉蘭が絶妙な環境を作っているのか?
詳しくはわかりませんが、よほど環境が合っているらしく、どの葉っぱも隅々まで瑞々しく元気で、そして大きく立派な花を咲かせました。

まるで日陰に妖精が舞い降りたような愛らしく可憐な花です♪

【by坊守】

2020年9月15日火曜日

お嬢ちゃんの法話の感想文

今日、お参りに伺ったご門徒さんのお宅で、奥さんから「これ、お住さんに見せようと思って」と原稿用紙を渡されました。
原稿用紙の表と裏に何やら文章が書かれています。
「読んでください。読んでください」と促されて読んでみると、あれ!これって・・・。

先月、こちらのお宅で法事を勤めさせていただいた際に、子どもさんたち数人がお行儀に座ってくれていたので、せっかくなのでその子たち向けにと行った法話の感想文でした。

書いてくれたのは小学5年生のお孫さんです。
「あの日、何か書いているなぁと思ったら、それでしてん。私なんか粗筋しか覚えてませんけど(笑)、よぉ覚えてるでしょう」
「こんだけよぉ聞いてくれたら坊さん冥利に尽きますわ」
「それ持って帰ってください」
「いいんですか」
「学校に出した清書は別の紙に書いてますから」

大人相手、子ども相手に関わらず、常々分かってもらえるかなぁ、伝わっているかなぁとお坊さんも悩んでいるんですよ。
それがこんなに記憶に残ってもらえるなんて・・・お話しさせてもらった甲斐があったなぁ♪と本当に嬉しくて胸がいっぱいになりました。
ありがとうMちゃん、宝物にしますね♪

ー ― ― ― ― ― ― ― ― ―

 『命』

昔、おしゃか様のいとこが鳥を落としました。羽に矢が当たっただけなので、まだ生きていました。
おしゃか様が鳥を見つけました。助けてあげようとすると、
「それは、ぼくがとったものだから、さわらないでくれ。」
といいました。二人は、どちらが正しいか、ちょうろうに聞きに行きました。
ちょうろうは、おしゃか様が正しい、なぜなら、命は愛する人の物だから。と言いました。
なので鳥は、おしゃか様に任せました。

[命は自分だけの物ではない。]

感想文

自殺という言葉があるけれど、自分だけの命と思わずに、自分のことを愛してくれている人の命でもあることを気づきました。
そして今、不要不急のお出かけはしてはいけないといわれています。自分は大丈夫と思わずに、大切な人の命を守るための行動を行いたいと思います。

2020年9月10日木曜日

ブラボー♪とうみょー♪

9月に入りましたが、今年の夏の長雨や猛暑の影響で野菜がとても高いですね。

特に葉物野菜や緑の野菜が高く買うのを躊躇してしまいます。

私が植えて、たくさん実ってくれたキュウリも8月の末には枯れてしまいました。(>ω<、)

そこでお世話になっているのが豆苗です。
使った後も水に入れておけば2回くらいは再生してくれ、娘のお弁当やお料理の色どりに大活躍でした。

みみっちいと言うなかれ!これも主婦の知恵です!(。-∀-) ♪

【by坊守】

2020年9月6日日曜日

境内の苔

夏の暑さにやられているのは人間ばかりではありません。
庭の草木も油断するとしなびてしまうので朝夕水やりは欠かせません。

草木だけではなく庭の生駒石にも。
曽祖父が孫娘である私の母に「暑い時には忘れずに庭石にも水をやってくれ」と言っていたそうです。
本堂の再建で一旦全て更地にしてしまったので今では無くなってしまいましたが、以前の願隨寺境内には絨毯のように庭石にもびっしりと見事な苔が生えていたのです。

それでも曽祖父が大切にしていた生駒石は今も変わらず境内にあり、少しですが苔も生えはじめています。

夏の日差しでカリカリに干からびているように見える苔も少しの水で驚くほどよみがえり、花のようにパッと開きます。


命は不思議ですね。
【by坊守】

2020年9月3日木曜日

寺報9月(表) ―坊守エッセイ―

願海表紙冒頭の法語は「真宗法語カレンダー」の今月の言葉から頂いています。
毎月この法語を読んで文章を考えているのですが……今月の言葉はとても難しいです。

住職は腰痛持ちで定期的にギックリ腰を発症します。
私はギックリ腰になった事がないのでどのくらい辛いのかわかりませんし、何なら「大げさなんと違う?」とと思ってしまいます。
痛みを知って初めて人の痛みを知ることができるとよく言われますが、結局痛みはその人ひとりのもので誰もそれを共有できませんもんね。

この法語は宮城顗先生が九州大谷大学の学生さんに向けてお話しされた時の言葉だそうで、「一人の人間の重さを知る心をもっていろんな人に出会ってください」と講義をむすばれています。

同じ痛みは“共有”できなくても、それでも私も同じように痛みや不安を持つ一人の人間であると“共感”することはできるでしょう・・・そのようにおっしゃっておられるのだと思いました。
先生のお言葉のように、コロナ渦というご時世だからこそ、共感と出逢いを求める心が私たちの救いの鍵となるのではないでしょうか。

【by坊守】

2020年9月1日火曜日

秋期彼岸会法要のご案内

真宗において「彼岸」とは、阿弥陀仏の「浄土」を指します。
浄土は、私たちが還っていく世界であると同時に、迷いの世界である「此岸」に生きる私たちの在り方を照らし、私自身の生き方を問いかけてくださる世界です。
お彼岸は、浄土に還っていかれた亡き人を偲ぶとともに、諸仏となられた亡き人からの問いかけに耳を傾け、いただいたいのちの尊さを振り返る大切な行事です。

>> 法要の際のコロナウィルス感染対策


2020年度 秋期彼岸会法要

日時:9月22日(火) 夜7時~ 8時

(法要の時間は例年の半分の時間で執り行います)

2020年8月30日日曜日

寺報8月(裏) ―住職雑感―

アメリカのマスク反対派が「義務化は憲法に定められた個人の人権を侵害する」と怒ってます。

大げさな主張に思えてどうもピンとこないので、あれってアメリカ人にとってそんなに説得力のあるものなん?と友だちの社会の先生に尋ねてみました。

すると聞いたことを後悔するくらい長~い説明に付き合わされるはめに(笑)

要約すると、めっちゃあります!
アメリカはその国家の成立から、自主独立、自由に最大の価値を置いていて、アメリカ人は自由を侵害されるくらいならコロナで死ぬ!って人がかなりいてます・・・だそうです。

仏教でいう自由は、自分の思いを貫き通すことではなく、絶対こうじゃなきゃヤダ!という執着から解放されることをいいます。
頑なな心はかえって自身を不自由にして、自分だけでなく周りも不幸にすることも。
自由という思想が素晴らしいものであるためにも融通無碍の心でありたいものです。

2020年8月29日土曜日

27組青年会主催・子ども夏祭り大会

27組青年会主催の夏季交流会。
正式名は固いですが、要は子ども夏祭り大会です。

今年は新型コロナウィルスの流行のせいで縮小を余儀なくされました。
例年でしたら流し素麺をするのですが、今年は飲む分は水分補給が必要なのでOKですが、食事はなし。
子どもたちもガッカリですが、私もノンアルコール・ビール片手におつまみなしというちょっぴり心許ない夏祭りでした。

それでも、何もかも中止中止のご時世で、感染対策を十分に考えて子どもたちに楽しい思い出をつくってあげようという会長さんの努力には頭が下がります。


うちはもう小さな子がいないので、代わりにすずちゃんを連れて行きました。

大きなワンワンに初めは恐る恐るだった子どもたちも慣れてくれば大人気♪
可愛い動物パワーは偉大です。

でも水が大好きなすずちゃん、釣りコーナーのプールに飛び込んだりと迷惑もかけました(笑)。

途中、軽く夕立が降り、その後虹がでました。
これにも子どもたちはテンションUP♪

日が暮れ始めて最後は花火。
会長さんがわざわざAmazonで取り寄せてくれた花火は、その辺のスーパーで売ってるのとは全然違うなぁと大人たちはそんなところに感心(笑)。


そして、火花が散り煙がもうもうとする景色を見て大人たちは「テロか抗議デモみたいやなw」と。
もうすっかり無邪気な心を失ってしまっています。(T▽T)

そんなこんなありましたが、楽しい夏祭りでした。
翌日、会長さんとこの子どもたちは大満足して眠りについたとお手伝いのお礼と一緒に報告がありました。
どういたしまして、子どもたちの楽しい思い出作りのお手伝いができたことが、こちらもよい思い出になりましたよ。