2021年7月20日火曜日

正信偈のお話 十六⑩

善導独明仏正意 矜哀定散与逆悪

光明名号顕因縁

善導(ぜんどう)といえば『観経疏(かんぎょうしょ)に記された「二河白道(にがびゃくどう)の喩(たと)え」が有名です

私たちの迷いの人生の有様をこちら側の岸の場面に、その中でも真実に生きようと願う念仏の行に生きる者(行者)の心に起こる不安を二つの河に、求道とそれへの導きを白くて細い一本の道に喩えたものです。

親鸞聖人も著書『教行信証(きょうぎょうしんしょう)』の中に引いておられますし、法話でもよく使われる喩えですので聞いたことがある方もおいでかと思います。

2021年7月15日木曜日

永代経ならびに万燈会のご案内

[日時]2021年 8月15日(日)     午後7時

[講師]門真市 西稱寺住職・ 宮部 渡 師

勤行中、焼香がありますのでご家族おそろいでお参りください。

この一年に新仏を迎えられたご門徒様には法要中に別途ご案内させていただきます。

※万燈会点灯     午後6時半より

献灯いただきました灯籠は境内、本堂の縁に荘厳いたします。ご家族で点灯ください。

※新型コロナウィルス感染対策を講じた上で法要を執り行います

2021年7月10日土曜日

寺報7月(裏)―住職雑感―

一月の半ばから日記をつけています。

日記なんて小学生の夏休みの宿題以来でしょうか。
日記といっても12センチ四方の小さなスケッチブックに絵を描いて短い言葉を添える程度のものですけどね。

コロナのために行事はない、会議もない、会議後のお酒もない(笑)。
メリハリのない毎日・・・去年からそんな風に思っていたのですが、ふと、何もない一日なんてないんじゃないのかな?ささやかなことでも何か心が動いたことがあるだろうと一念発起。

いただいた和菓子とその場でのご門徒さんと会話。
嫁さんが作ってくれたマスクとその感想。
所詮その程度の内容ですが、書き残していなければ一月後には何の記憶にも残らない一日になっていたかもしれません。

ちなみに「所詮」は元は仏教語でして、物事の本質を「能詮」、本質を分かり易く表すことを「所詮」といい、お経の意味を「つまりこういうこと」と表したのが転じて今のような使われ方になりました。

一見「ただの一日」であっても、小さな現れに込められた出来事の本質を丁寧に見つめていきたいと思う今日この頃です。

2021年7月8日木曜日

お祖母ちゃんの団扇

夏、ご門徒のKさんはお勤めの間、後ろから団扇で扇いでくださいます。
昔はこうしたお婆ちゃんがたくさんおいででした。

団扇の風はとても柔らかく、涼しいというよりも実に心地よいのです♪

Kさんの団扇

Kさんが幼い頃、お祖母ちゃんが子ども三人に団扇一つでは足りないので両手に団扇を持って自分たちが寝付くまで扇いでくれたのだそうです。
それが本当に心地よかったそうです。
たぶんそのお陰で、今でも団扇の風が大好きで、人に扇いであげるのも好きなのだろうと語ってくださいました。

子どもの頃の幸せな体験は、その人がまた誰かを幸せにするとても大切なのですね。

2021年7月1日木曜日

寺報7月(表)―坊守エッセイ―

いよいよ七月、延期の末に中止も危ぶまれたオリンピック、パラリンピックですが、今のところ縮小しつつも開催の方向で進んでいます。

去年はほとんどの大会が中止になった学生のインターハイやコンクールなども、今年は無観客等の感染対策をして行われるそうですね。

私も学生の頃は八月に行われる吹奏楽コンクールを目指して仲間たちと熱い夏を過ごしていました。
自分たちの力量を分かっているつもりで分かっていない私たちに、顧問の先生はとても厳しく、「ベストを尽くせ!」が口癖で、技術、体力、精神力の限界を常に求められました。
壁にぶつかり挫折しそうになりながらも、その時知った「仲間と音を合わせることの気持ち良さ」は、今も楽器を続ける源になっています。

初めて楽器を手にしてから三十年以上経ちましたが、まだまだ下手くそで越えなければいけない壁は次々に出てきます。
あと何年楽器を吹けるかわかりませんが、まだ伸びしろがあると信じてベストを尽くしたいと思います。

さぁ本番間近、何事にも制約が多い今年の各大会ですが、選手や学生さんたちには精一杯自分と向き合えた悔いのない夏になりますように。
【by坊守】