2019年12月30日月曜日

新年を迎える準備

修正会を迎える本堂の準備ができました。

今回、仏華を立てるのに一番苦労したのは、立てる作業よりも花材の購入でした。
いつも道の駅を利用するのですが、お店の準備の悪さと段取りの悪さで店内が大混乱。
毎年来ていますがこんな今までことなかったのに!というほど、レジを待つ列がさながらUSJかディズニーランドかというくらいに。
あれはスタッフで大反省会してもらいませんと・・・。

そんな苦労もありましたが、ちょうど華を立て始める前に、ご門徒さんが臘梅を持ってきてくださるという有り難いことも。
その臘梅の甘い香りで本堂は一杯です。
是非お参りにいらしてその香を堪能してください。

大晦日の深夜、みなさまの参詣をお待ちしております。

2019年12月27日金曜日

正信偈のお話 十五⑪

道綽決聖道難証 唯明浄土可通入
万善自力貶勤修 円満徳号勧専称

道綽(どうしゃく)が生きたのは六世紀。
当時の世界の動きはというと、東ローマ帝国が地中海沿岸のゲルマン諸国を征して最大版図を獲得した頃です。

それに伴い、キリスト教会が教線を広げていきます。
とくにローマ教会の権威が高まります。

そして六、七世紀にかけてアラブ民族が台頭してきます。
なんといっても大きいのは、マホメットがアラビアのメッカに生まれたことです。
彼の布教によってイスラム教が成立し、アラビア人の民族的自覚が高まり、イスラム教の宗教国家が形成されます。
がてイスラム世界は、アジア、アフリカ、ヨーロッパにまたがる大帝国を作っていきました。

2019年12月25日水曜日

寺報12月(裏) ―住職雑感―

秋田県の湖でボートに乗っている人が熊の親子が泳いでいるのを見つけ、近づいて映像を撮ろうとしたら向かってこられた・・・というニュースの「なんと威嚇してきました」というナレーションに「なんとやないわ、構ったりな!」と同時に叫んだ我が家の姉弟。
声にこそ出しませんでしたが私と同じ感想にビックリ&苦笑い。

仏教には宿業という言葉があり、以前は前世の行いの報いという意味でしたが、現在の真宗では本人の意思に関わらず宿される業という意味で使われます。
具体的には時代や環境によってすり込まれる価値観のことです。
戦中戦後、昭和や令和といったそれぞれの時代性。
生まれた国や家庭といった環境。
その中で生きている者に無意識に宿される価値観に私たちは縛られます。

うちの子らのあの反応を、本人たちは親の影響などと露とも思わず、自然に湧いてくる自分の考えだと思っていることでしょう。
知らず知らずに大人が与えている影響ってスゴイなぁと改めて感じたことでした。

2019年12月22日日曜日

令和二年度 年末年始の行事のご案内

§ 修正会 §
『修正会』は新年を迎えるにあたり仏さまに対する報恩感謝の心から勤まり、仏法聴聞のこころざしを新たにするものとして厳修されます。
新春、初参りは願隨寺へご家族お揃いでご参詣下さい。

[日 時] 元旦の午前零時より厳修
 元旦は終日開門しております。どうぞ随時お参り下さい。

§ 新年 §
日ごろは願隨寺のためにひとかたならぬご厚誼をいただき、厚く御礼申し上げます。
一年の始まりを迎えるにあたり、ご先祖様、如来様への感謝のこころで集い、ご門徒の皆さまとの懇親を深め、気軽に語り合う新春の宴席を催したく存じます。新年早々につきご多忙中恐れ入りますが、ぜひご出席くださいますようご案内申し上げます。

日 時 1月5日(日)午後7時より
会 費 3,000
※準備の都合上、ご出席の有無を1月2日までにお知らせ下さい。


2019年12月18日水曜日

第16回 三夜連続法話の会「正信偈四十話」惑染凡夫信心発~唯可信斯高僧説

私が参加させていただいています「現代法話研究会 獅子吼の会」で毎年行っています「三夜連続法話の会」のご案内です。

私は1月22日に源信和尚の四句を担当いたします。
是非ご聴聞におこしください。

[日時]2020/1/21(火)~23(木)午後4時~6時
[場所]真宗大谷派 難波別院(南御堂) 御堂会館講堂

― 入場無料 ―

ー ごあいさつ ー

三夜連続法話「信心のうた 正信偈四十話」も大詰めとなりました。およそ、一年間に渡り
行ってきました。何度も足を運んで頂いた方々、今回初めて聞きに行こうとされる方々、共々に篤く御礼申し上げます。少しでも日々のお勤めの「正信僑」が身近に感じれればと願っています。今回は1月23日に、ゲストとして天王寺光照寺住職墨林浩師を迎えます。できれば三日間、お越し下さればとご案内いたします。
合掌
現代法話研究会獅子吼の会会長 洲崎善範

1月21日(火)
「惑染凡夫信心発 証知生死即涅槃 必至無量光明土 諸有衆生皆普化」
石谷弥恩(神戸市・光明寺)
「道綽決聖道難証 唯明浄土可通入 万善自力貶勤修 円満徳号勧専称」
松井 恵(門真市・心願寺)
「三不三信誨慇懃 像末法滅同悲引 一生造悪値弘誓 至安養界証妙果」
廣瀬 俊(東大阪市・法観寺)
「善導独明仏正意 矜哀定散与逆悪 光明名号顕因縁」
竹中慈祥(滋賀県・眞廣寺)

1月22日(水)
「開入本願大智海 行者正受金剛心 慶喜一念相応後 与韋提等獲三忍 即証法性之常楽」
難波明則(箕面市・浄圓寺)
「源信広開一代教 偏帰安養勧一切 専雑執心判浅深 報化二土正弁立」
平野圭晋(斑鳩町・願隨寺)
「極重悪人唯称仏 我亦在彼摂取中 煩悩障眼雖不見 大悲無倦常照我」
洲崎善範(門真市・即念寺)
「本師源空明仏教 憐愍善悪凡夫人 真宗教証興片州 選択本願弘悪世」
墨林尚顕(鶴見区・慈恩寺)

1月23日(木)
「還来生死輪転家 決以疑情為所止 速入寂静無為楽 必以信心為能入」
松尾智仁(鶴見区・専立寺)
「弘経大士宗師等 拯済無辺極濁悪 道俗時衆共同心 唯可信斯高僧説」
乙部大信(東住吉区・恩楽寺)
ゲスト法話「正信偈のこころ」
墨林 浩師(天王寺区・光照寺住職)


現代法話研究会獅子吼の会
お問い合わせ:浄琳寺(森 広樹)〒537-0025 東成区中道4-16-20 電話06-6971-5717
YouTubeチャンネル https://www.youtube.com/user/Shishikunokai

2019年12月15日日曜日

ツワブキ

今月の寺報に描いたツワブキは、先日ご門徒さん宅から頂いて門前に植えたものです。

少しの時間日が当たる日陰が良いらしく、門前のこの植え込みは最適です。
ここだとすずちゃん(我が家のレトリバー犬)に掘り返される心配もありません。

ある程度増えたら他の場所にも株分けしようと思います。
元気に育ちますように。(*・人・*) 
【by坊守】

2019年12月12日木曜日

続・架け橋美術展へ


この絵は、先月のNHKの日曜美術館『光の絵画~ハンセン病療養所・絵画クラブ「金陽会」』に出演されていた吉山安彦さん(90)の作品です。

金陽会は58年前に熊本県の菊池恵楓園できた絵画クラブとのこと。
しかし、今でも絵を描き続けているのは吉山さんただ一人。
こうしたことが架け橋美術展を終える理由なんでしょうね。

でも、例え架け橋美術展がなくなっても、こうした絵画や詩や歌は、苦難を生きた方々の生きた証として、そして後世に大切なことを伝えるものとして、回復者のみなさんが亡き後も受け継がれ、光を放ち続けることと思います。

2019年12月10日火曜日

架け橋美術展へ

奈良県橿原文化会館まで架け橋美術展を観に行ってきました。

先月のブログでもご紹介しましたように、「架け橋美術展」は、ハンセン病の後遺症によるさまざまな身体の不自由さや困難を乗り越え、人間らしく生きることを追求する中で制作された美術作品を広く伝えることで、ハンセン病問題の正しい知識と理解を深め、元患者の方たちと私たちの架け橋になることを願い始められたものです。
しかし、入所者の高齢化により、とうとう今年幕を下ろすことになりました。

そういうわけで、忙しい12月ですがどうしても行っておきたくて、坊守にお参りを代わってもらいました。

開場には絵画、写真、書、陶芸、手芸と様々な出品がありますが、やはり俳句や歌はストレートに思いが伝わるものとして心に残ります。



「八十年育て楓色づきぬ 多くの人に眺でよと叫ぶ」
「墓だけの 古里なぜに 恋しがる」
「布団干し 体を埋め 母の夢」
「背負いきれない 苦しみも 痛みも 消える日も 何時か来る その日まで 誰にも 負けない」

他にもたくさんの心打たれる言葉が綴られていました・・・。
[つづく]

2019年12月6日金曜日

銀杏と人類

今年もたくさんのぎんなんを落としてくれた代務寺院の境内の銀杏。


ぎんなん拾いの助っ人として連れて行った娘が、青い空に黄色い葉っぱが美しい銀杏を見上げながら「銀杏は人間が植え続けてるから今も絶滅せずにいるねんて」と言い出しました。

調べてみると、銀杏は世界古来の樹木の一つであり、イチョウ科の植物は中生代から新生代にかけて世界的に繁栄したそうです。
世界各地で化石が発見されているそうですが、氷河期にほぼ絶滅し、現在イチョウは、生きている化石として絶滅危惧種に指定されているのだとか。

絶滅の危機に瀕した銀杏はその美しさを愛されてあちこちに植えられているんですね。
味も美味しいしね、やっぱり♪
【by坊守】

2019年12月3日火曜日

渉成園ライトアップ



御正忌の御文法話を聴聞した帰りに友人たちと渉成園(枳殻邸)のライトアップを見てきました。
渉成園の紅葉が薄闇の中に鮮やかに照らし出されてなかなかいい雰囲気を醸し出していましたよ。


期間中、「日本の音」と題し、琴や三味線などの公演もあります。
私が行ったときは和太鼓でした♪


京都へお寄りの際は是非足を運んでみてください。

【期 間】2019年11月15日(金)から12月15日(日)
【時 間】17時30分から21時(最終入場20時30分)
【庭園維持寄付金】大人500円以上/中高生250円以上/小学生以下無料 ガイドブック進呈

2019年12月1日日曜日

寺報12月(表) ―坊守エッセイ―

先月の頭から始めた五葉の松の剪定がやっと終わりました。
私はちょっとお手伝いしただけですが、住職がとても熱心にお手入れしてくれています。

庭木に全然興味のなかった住職が境内の木々に心を砕くようになったのは、ある御門徒さんのおかげなのです。
その方は前住職が亡くなった直後の願隨寺を心配して、度々お寺に来ては木の剪定の仕方や畑の作り方等を教えてくださいました。

願隨寺の境内にはご門徒さんのお宅から分けていただいた草花もたくさん植わっています。
赤い実が可愛らしいオトギリソウ、斑入りの椿、蝋梅、紅白の木瓜、大きくなりすぎたので数年前に切ってしまったソテツも株分けの鉢植えにしてとってあります。
先日頂いたツワブキの株は山門横の南天の下に植えました。

こうしてお寺を気にかけてくださるみなさまのお心で境内が作られているありがたさにお念仏申させていただきました。

【by坊守】