2021年2月28日日曜日

寺報2月(裏)―住職雑感―

朝食を終えてテレビをつけっぱなしにしていたら、NHKの連続テレビ小説が始まり、主題歌が流れてきました。
今期の歌は「泣き笑いのエピソード」というタイトルなんですね。

お寺の掲示板に先月貼っていた「悲喜こもごもという言葉がありますが、まずは悲しみが先にやってくる。人間が生きていることを感じるのは、悲しいときのほうが多いんですね」という言葉と重なるものを感じました。

この言葉はやなせたかしさんの言葉で、奥さんの病気が見つかり亡くなるまでの辛い闘病生活を、「この五年間はかけがえがなく、命の尊さを実感する充実した日々でもあった」と振り返る中で紹介されていたものです。

悲しいことなんてないにこした方がいいのですが、悲しみを知らないとかけがえのないものの尊さが分からないというのは残念ですが事実のようです。

当たり前の日常が失われた今はその有り難さを学ぶ大切な時なのでしょうね。

2021年2月24日水曜日

東部市場に心わしづかみ♪

友人からもらった大阪東部市場のキャンペーン応募はがき。
何気なく出してみたら大当たりでした!

ホッケ、サンマ、カマス等の干物。
あさりに漬け丼、つくだ煮にスモークサーモン、鮭フレーク。
豪華にフグの切り身まであります!

申し訳ないような内容に驚いてしまいました。

フグは唐揚げに、あさりはバター蒸しにしていただきました。
住職はカマスの開きに大喜びでした。

こうしたキャンペーンも業者のみなさまがコロナで大変な状況の中で精一杯できることとして頑張っておられるのでしょうね。
私も頑張らなきゃな。

ともかく、東部市場さん、ありがとうございました。
コロナが落ち着いたら必ず東部市場に行きます!

ちなみに東部市場のホームページの「東部市場のご紹介」は子どもが見ても楽しいページですよ。
こちらもぜひご覧になってください。 >>
東部市場

【by坊守】 

2021年2月22日月曜日

グリーフケア・アドバイザー2級認定

去る2月11日、グリーフケア・アドバイザー2級認定講座をオンラインで受講しました。

「グリーフ」とは、深い悲しみ、悲嘆、苦悩を示す言葉です。
そのような状態にある人に、寄り添い、援助することを「グリーフケア」といいます。

このところ、私がこれまで長年関わってきた人権問題や教化活動、メディア関係の委員会や学習会等の様々な関わりがコロナで断たれてしまっています。
そんな状況を始めは暇だと感じたのですが、イヤイヤそうして外に時間を使っていた分、内を疎かにしていた部分もあるわけだし…と反省し、今、自坊とご門徒さんに何ができるか考えるようになりました。

ホームページをアップグレードしたり、習字の練習をしたり、積ん読になってた本を手に取ったり、実はいくらでもやることはあるものです。
そして、そうだ!この機に通信教育もいいかも…と思い立ち、まず手をつけたのが今回の受講です。

本来グリーフケアは昔からお坊さんがやってきたことなのですが、宗教との関係性が薄くなるにつれその役割が果たしづらくなっています。
しかし、中陰や法事を通して丁寧にご遺族に寄り添うことはとても意義のあることだと実感しています。
そうした現場で、経験上なんとなくではなく、様々なグリーフの背景まで学んで取り組むことができればと思いました。

受講した時点で記事にすると、もし落ちたときに恥ずかしいからと結果を待っていたら、今日、認定証が届きました。
選択式テスト19点/20点、記述式テスト8点/10点。
何点が合格基準なのかは知りませんが、とりあえず良かったです。(*´∀`*)

次、1級も頑張ってみようかな。

2021年2月18日木曜日

撥ねられた身元不明の猫の枕経

三日前の晩、ご門徒さんがお亡くなりになり、枕経の帰りにバイクで走っていると交差点に白い猫が倒れているのが見えました。
横をスッと通り抜けた際に良く見ると、まだきれいな姿でした。
既に死んでいるとしても、このまま放っておくと潰されてグチャグチャになってしまうは可哀想と思い、急ブレーキ!
バイクを道の端に止めて猫を拾いに行きました。

抱えるとまだ温もりがありましたから撥ねられて間がなかったのでしょう。
交差点には交番がありまして、お巡りさんも困るかとは思いましたが、近所の飼い猫かもしれませんし、バイクに乗せて帰るのはためらわれましたので敷地内に置かせていただきました。
読経まではしませんでしたが、しばしその場でお念仏させていただきました。

さて、翌日、翌々日と、お巡りさんも戸惑われたかなぁと思い、前を通る度に覗いてみたのですが「警邏中にて不在」の看板。
三日目の今日、やっと不在の看板がなかったので交番に入ることができました。
猫の死体の話をすると「ああ、はい、ありました」と。
事情を説明すると、「なんか、悪戯かなぁとも思ってました。ああ、そういうことでしたか」と納得してくださいました。
やっぱり寄ってよかった~。

外へ出て見送ってくださるときに、「あの住職さんに…住職さんに…あの…猫も…あの…猫も…」とお巡りさんは上手く言い表せないようでしたが、お気持ちは伝わりましたよ。
猫も成仏できたのでは…そうだったのなら幸いです。

2021年2月12日金曜日

正信偈のお話 十六⑤

善導独明仏正意 矜哀定散与逆悪

光明名号顕因縁

善導(ぜんどう)七世紀に中国の山東省に生まれました。

幼くして出家した時に、「西方浄土変相(さいほうじょうどへんそう)(阿弥陀仏の極楽浄土の荘厳が描かれた図)」を見て大変感激しました。

そして数ある経典の中から、まるで導かれるように『観無量寿経(かんむりょうじゅきょう)』を手に取るという縁を得て、その中に説かれる「十六観(じゅうろくかん)(阿弥陀仏や浄土のありさまを思い浮べる十六種の瞑想)」を修行します。

さらに、二十歳を過ぎた頃に道綽禅師(どうしゃくぜんじ)の門に入り、師の『観無量寿経』の講義を聞き、浄土の教えとその実践としての念仏の指導を受けました。

さらに、善導は長安の光明寺(こうみょうじ)において多くの民衆に念仏の教えを広めることも行いました。


2021年2月7日日曜日

梅の花 さやかに白く

ぷっくらと膨らんだ梅の蕾たちの開花を今日か明日かと眺めるのも楽しいものです。
そして今日、とうとう境内の白梅が一輪咲きました♪

『野菊の墓』の作者・伊藤左千夫の『 梅の花 さやかに白く 空蒼く つちはしめりて 園しづかなり 』という歌があります。
梅の花が青い空の下に白くくっきりと映えている姿を詠んだ歌です。

うちは観光寺院ではないので、園というほどのことはないささやかな境内ですけど、住んでいる者が静かに鑑賞するには十分です(笑)。

2021年2月5日金曜日

アライグマ目撃情報

代務している筒井のお寺でアライグマが目撃されました。

去年は落ちているはずの銀杏が全然落ちていなかったし、柿も少なかったのでどうした事かと思っていたのですが、こいつの仕業だったようです。

特に銀杏は、ほとんどの動物が食べないらしく(お腹を壊すそうです)、調べたところ例外としてアライグマは種ごとバリバリと食べるとあったので疑ってはいたのですが…。

まさかこんなにバッチリ証拠写真を激写されるとは…。

今年の銀杏はアライグマとの取り合いになりそうです。

【by坊守】 

2021年2月1日月曜日

寺報2月(表) ―坊守エッセイ―

月参りに伺ったお宅の仏間の縁から見えるレモンの木。
瑞々しい黄色がまるでそこだけスポットライトが当たっているかのように輝いて見えます。
あまりに美しいので願海に描きますね~と写真を撮らせていただきました。

そちらのお宅で、「毎月、願海の表紙の文章を考えるのに苦心しております」という話題にもなりました。
今月の法語は「慚愧」と「歓喜」の交錯…これはまた難しい言葉です。

この言葉を私なりに解釈しようとして「もったいない」という言葉に行き当たりました。
「もったいない」は元々仏教由来の言葉で、目には見えない仏の力や働きに助けられていることへの懺悔の念と感謝の気持ちです。
転じて「過分のことで畏れ多いこと」「無駄になることが惜しい」事を意味するようになりました。

「もったいない」の中には「申し訳ない」「ありがたい」が含まれています。
帰りに持たせて下さった綺麗なレモンは以前教えて頂いた大根のレモン漬けにしようと思います。
ありがたい、もったいないことです。

【by坊守】