2021年11月20日土曜日

寺報11月(裏)―住職雑感―

コロナの影響でレジャーにも変化があり、最近はキャンプブーム。

日本の場合、キャンプはキャンプ場で行いますが、北欧の国々ではマナーを守れば私有地や国有地であっても森でキャンプができます。
なぜそんなことが可能かというと、自然享受権といって「自然はみんなのものだから、独占すべきでない」という考え方があるからです。

キャンプ以外にも、散歩やカヌーもOKですし、ちょっとぐらいなら木の実を採ってもいいそうです。
ステキですね。

日本でも・・・と思いますが、この考え方は北欧の人たちが長い歴史をかけて、当たり前のことと思えるまでに育ててきた共通認識とのこと。

日本人の当たり前は「人に迷惑をかけてはいけない」。
これは裏返すと、「人に迷惑をかけなければ何でもあり」であって、こうした意識では難しいというのが専門家の意見です。

ですが一方で日本には、全てはご縁による賜り物であり、自然は人間の所有物ではないという仏さまの教えに基づいた感覚もあります。
こちらがもっと当たり前になれば、自然をみんなが大切にできるようになるかもしれませんね。

2021年11月15日月曜日

正信偈のお話 十六⑭

善導独明仏正意 矜哀定散与逆悪

光明名号顕因縁

[二河白道④]

すると同時に、対岸の西の方からも声がしました。

「旅人よ、迷うことはありません。
こちらへいらっしゃい。
私が守ってあげます。
河に落ちることを恐れず、真っ直ぐこの道を進みなさい」と。

身近に励ましの声と、彼方に呼び声を聞いた旅人は、もはや躊躇うことなく白い道を歩き始めました。

背後からは獣や盗賊たちが叫んでいます。

「おーい、危ないぞーっ、戻ってこーい。
そんな道を行けば河にはまっちまって死んじまうに決まってるぞーっ。
俺たちは何にもしねーから、行くのは止めとけってーっ」 ~つづく

2021年11月1日月曜日

寺報11月(表)―坊守エッセイ―

難波別院・通称南御堂の報恩講さんに行ってきました。

新型コロナウイルス感染症の感染防止の観点から、露天やお茶席等の催し物や名物の銀杏粥の振舞い等の行事は無し。
法要時間の短縮、本堂内の換気、参拝席の間隔を空けるなどの対策をしつつのお勤めでした。

けれど昨年と違うのは、二十七日の結願逮夜と二十八日の結願日中の両日、二年ぶりにご門首の御出仕があり、私は教区の坊守会役員としてご門主や随行者さんのお接待役をさせて頂きました。

大谷暢裕ご門主は南米開教区開教使であられたお父様のもとでブラジルでお育ちになられたので、日常会話はポルトガル語でお話しされると伺っていましたが、流暢な日本語でお出ししたお茶菓子の銘をお尋ねくださいました。
用意させて頂いていたお菓子は、紅葉した山を模した「唐錦」と、竜田川の紅葉をイメージした「竜田」。

私たちのご門主様は、もてなしのお菓子一つにも気を留めて下さる、細やかで優しい方でしたよ。

【by坊守】