2023年4月15日土曜日

寺報4月(裏)―住職雑感―

WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)、盛り上がりましたね。
特に大谷翔平選手は試合の内でも外でも輝いていました。

中でも私が感銘を受けたのは、チェコ代表の印象を語った「レベルうんぬん関係なく、野球に関係なく、選手としてリスペクトを感じました」という言葉です。

チェコの選手はみな他に職業を持つアマチュア選手です。
ですから技術でいえば日本のトップ選手たちに敵うべくもありません。
しかし、競技に真摯に向かい合う姿勢はプロ・アマ関係なく尊敬に値する人たちだったってことでしょう。

ところで、私たちはそれぞれの職業でプロやアマということはありますが、自分の人生を生きる者としてプロもアマもありませんよね。
自分はアマチュアなんでこんな生き方しかできません…なんて言い訳は通用しません。
どんな人生であろうと真摯に向かい合うことが大切で、そんな人には〝尊さ〟を感じるものです。

実は仏道でも同じことが言えます。僧侶や在家という違いはあったとしてもお釈迦さまや親鸞聖人の教えを大切にして生きるということにおいてはプロもアマもないんです。
自分は自分のフィールドで大谷選手やチェコの選手に負けない生き方をしてまいりましょう。

2023年4月5日水曜日

寺報4月(表)―坊守エッセイ―

例年の開花よりも早めの桜が今まさに満開です。

去年から始まった竜田公園の改修工事は、桜の開花にあわせたかのように三月下旬に終了しました。

早速、愛犬のすずちゃんをお供に出かけてみました。
三室山の遊歩道には手すりや階段が増設されて以前より登りやすくなっていて、展望デッキなんかも新設されていました。

久しぶりに登った頂上では、以前と同じ桜の花が私を迎えてくれました。
心地よい風を感じながらすずちゃんと東屋で休憩していると、鶯の声と、舞い散る桜にはしゃぐ幼い子どもたちの声が聞こえます。

思えばウチの子たちとも小さい頃は毎年ちらし寿司を作って三室山でお花見をしたものです。
そんな我が家の恒例行事も、息子が思春期になるとなかなか参加してくれなくなり、そのうち自然消滅に…。
日々の生活に追われて忘れかけていたそんな桜の記憶のあれこれを思い出しながら、選挙カーの声のする下界へと下山しました。

考えて見れば、同じように見える桜も毎年新しい花を咲かせています。
今年の桜は今年の桜。
私も今の自分を精いっぱい生きましょう。
【by坊守】