2020年11月22日日曜日

寺報11月(裏) ―住職雑感―

今年はウンカという虫の被害で稲作に多くの被害が出ています。
コロナ禍でも農作物は関係ないと思っていたのに、あちらもこちらも大変です・・・。

ところで人から見れば害虫でも、虫にも命はあります。

昭和の初め頃までは、稲につく害虫を追い払うことを祈願し村人が松明を灯しながらお経や呪文を唱えながら練り歩く「虫送り」という仏事が全国で行われていました。

ただし、駆除された虫を供養する意味もありました。
そこが仏事たるところです。
害虫か益虫かは人間の都合。
その都合で殺してしまうことに申し訳ないという命の感覚を昔の方は持っておられたのですね。

このところの熊の被害についても、被害者の方には心よりお見舞い申し上げますが、熊も人間によって生態系を壊され生きづらくなった被害者。
人間の都合によって駆除された熊の命を悼み供養していただけないものでしょうか。

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