長島愛生園は、1930年に設立された国が作ったハンセン病療養所の第1号です。
当然治療目的でもありましたが、同時に誤った隔離政策に基づく目的ももっていたことから、入所者とそのご家族の方々に多大なる苦労を与えた施設でもありました。
向かう途中、昼食をとっていると偶然同じ教区のハンセン病問題の委員会の方にお会いしました。
「○○さんも出席されるんですか?」
「私は入所者の□□さんが亡くなられたんでそのお悔やみに。だいたい記念式典なんてお祝い事やないし、私は出ぇへん」
確かにその歴史を考えると複雑な思いを抱くのも然もあらんとは思います。
さて、私は今年から「差別をなくす奈良県宗教者連帯会議(奈宗連)」の議長に就任していますので、その代表として招待されました。
奈宗連では長島愛生園に桜の植樹を行ってきました。
そのことへの感謝を表してということなのですが、本来でしたらその活動を長年続けてこられた先輩方こそ出席に相応しいと思いますので、大変申し訳ない気持ちでの出席でした。
感謝状の贈呈はコロナ禍ということもあり、奈宗連とも関わりの深い「架け橋 長島・奈良を結ぶ会」会長の稲葉様が代表者としてお一人だけ壇上に上がられました。
式典の山本典良園長の挨拶では、新型コロナウィルス感染拡大の中で相変わらず差別が横行し、これまでのハンセン病問題が社会に十分に活かされない無念さを語られていました。
負の歴史から現在、未来へいかに学んでいくか。
確かに祝い事の記念式典ではないのですが、そのことをしっかりと確認するための式典としては意味のあるものだったと思います。
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