2020年9月3日木曜日

寺報9月(表) ―坊守エッセイ―

願海表紙冒頭の法語は「真宗法語カレンダー」の今月の言葉から頂いています。
毎月この法語を読んで文章を考えているのですが……今月の言葉はとても難しいです。

住職は腰痛持ちで定期的にギックリ腰を発症します。
私はギックリ腰になった事がないのでどのくらい辛いのかわかりませんし、何なら「大げさなんと違う?」とと思ってしまいます。
痛みを知って初めて人の痛みを知ることができるとよく言われますが、結局痛みはその人ひとりのもので誰もそれを共有できませんもんね。

この法語は宮城顗先生が九州大谷大学の学生さんに向けてお話しされた時の言葉だそうで、「一人の人間の重さを知る心をもっていろんな人に出会ってください」と講義をむすばれています。

同じ痛みは“共有”できなくても、それでも私も同じように痛みや不安を持つ一人の人間であると“共感”することはできるでしょう・・・そのようにおっしゃっておられるのだと思いました。
先生のお言葉のように、コロナ渦というご時世だからこそ、共感と出逢いを求める心が私たちの救いの鍵となるのではないでしょうか。

【by坊守】

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