道綽決聖道難証 唯明浄土可通入
万善自力貶勤修 円満徳号勧専称
前回は始めと終わりを繰り返す仏教の宇宙観のお話をしました。
同様に釈尊の説いた仏教にも、時代とともに変化が起こるというのが末法史観(まっぽうしかん)で、正法(しょうぼう)・像法(ぞうぼう)・末法(まっぽう)、さらに法滅(ほうめつ)の時代がくるという教えです。
道綽(どうしゃく)は、その著『安楽集(あんらくしゅう)』で、先のような時代区分を立てています。
それは少年時代から仏教が滅びたり、また復興したりという不安定な状況を身をもって体験したことと重ね合わせているのです。
「あぁ、私たちは末法到来の時に生まれ合わせたのだ」という深刻な危機感が、彼の思想・信仰にはあるのでした。
0 件のコメント:
コメントを投稿