2020年9月30日水曜日

寺報9月(裏) ―住職雑感―

世界最大のバレエコンクールであり若手の登竜門とされるユース・アメリカ・グランプリもコロナ禍で中止だそうです。

優勝候補とされた一人の女性ダンサーは世界中の有名なバレエ団から今後のオファーが寄せられていたにもかかわらずバレエ界から去りました。
あぁ、コロナのせいで夢が途絶えてしまったのかな、可哀想に・・・そう思ったのですが、さにあらず。
お母さんがお医者さんとのことで、みんなのためにコロナと戦い続ける姿を見て、自分もそういう生き方がしたいと一転!医学の道へ進むのだそうです。

かつてロシアのE・イシンバエワは体操選手を目指していましたが、身長が伸びすぎて競技を断念しました。
しかしあるコーチに才能を見いだされて陸上へ転身し、今も破られない女子棒高跳の世界記録保持者になりました。
彼女は言います。「人は必ずしも始めた場所で終わる必要はない」

夢に描いた夏ではなかった多くの若い競技者たちを、彼女たちの生き方が勇気づけてくれればと願います。

2020年9月27日日曜日

コロナ禍でのお楽しみ会

自治会福祉会のお楽しみ会に参加してきました。
本当は住職が福祉会の会計をしているので参加すべきところなんですけど、こうした行事は土日に行われることが多く、お寺はむしろ忙しくて住職は休めません。
なのでこういう時は、いつも私がお財布を持って代わりを務めています。

さて、福祉会では毎年参加者を募って県内もしくは近隣の県への日帰り旅行を企画するのですが、今年は新型コロナウィルスの流行が未だ治まらず、開催するか否か役員さんたちは随分と悩まれたようです。

でも、何もかもなしで地域のつながりをなくすのもどうか・・・。
というわけで今年は、コロナ対策のガイドラインを守りながら、町内で楽しめる行事となりました。

先ずは、法隆寺門前の布穀薗でゆっくりお食事。

そして近すぎて普段は通り過ぎてしまう法隆寺門前をのんびり散策。

その後、斑鳩寄席を見る為いかるがホールに移動。
いかるがホールでは消毒、検温、座席も一席空けて座るという徹底ぶりでした。

久しぶりに自治会の皆さんとお会いして、食べて笑って、楽しい時間を過ごすことができました♪
早く気兼ねなくみなさんとご一緒できる日が来て欲しいなぁ。

ところで、斑鳩寄席って、私は初めてでしたが毎年開催されているのですね。

前説をされた桂坊枝さんが毎年出演者を決めているとのことでした。 

前座の笑福亭鶴田さんの「みかん屋」は元気よく。
坊枝さんの「ちりとてちん」は腐ったお豆腐を食べるしぐさが秀逸の熱演!
桂枝女太さんの「はてなの茶碗」、笑福亭枝鶴さんの「初天神」はさすがの貫禄で、全部知っているお話しでしたが、寄席で聞くのはまた一味違いますね。

あえて少しだけ言わせていただけば、「みかん屋」は登場人物のトーンが同じだったかなぁ。
そして「初天神」は舐めたりなんたりの表現がちょっと汚すぎたかなぁ。
な~んて、素人の感想として聞き流してください(笑)。

【by坊守】

2020年9月25日金曜日

畠中咲菫書展

畠中咲菫先生の個展に行って来ました。

息子さんの連れ合いさんが一週間お手伝いにきてくれているようです。 三人で楽しく歓談(息子さんは会議中にいつも落書きしていることをチクったりとか(笑))させていただきました。

写真は上から「如来」「至心」、「白骨の御文」、「歎異抄」です。

一番下の写真は「我在中蓮不知蓮」。 前回の個展で気に入って私が購入させていただいた作品の別バージョンです。

先生のご意向で作品の写真は取り放題、SNSにUPし放題です。
でも先生本人の写真を撮り忘れたんですよねぇ。 地下鉄の駅で気づきましたが、雨の中を戻るのも大変なのでそのまま失礼しました。(-ω-;)


京都市本能寺前町のアートスペース余花庵にて明後日9月27日(日)まで行われてます。 是非お訪ねください。

2020年9月23日水曜日

正信偈のお話 十六①

善導独明仏正意 矜哀定散与逆悪
光明名号顕因縁

善導(ぜんどう)(ひと)り、仏(ぶつ)の正意(しょうい)を明(あ)かせり。
定散(じょうさん)と逆悪(ぎゃくあく)とを矜哀(こうあい)して、光明(こうみょう)名号(みょうごう)、因縁(いんねん)を顕(あらわ)す。

【意訳】善導(ぜんどう)大師よ、インドから中国へ渡った浄土の教えの歴史の中で、あなただけが『観無量寿経(かんむりょうじゅきょう)』の教えの中に仏(みほとけ)の深い心をさぐりあて、明らかにされました。

(じょう)や散(さん)という修行や善にはげむ善人と、逆らい悪をなす悪人とを等しく迷う人と哀しみ、仏の智慧の光に出遇い、仏の名(みな)を聞き称えるならば、それが因縁となって、心をひるがえし、目覚めていく道があることを明らかにされたのです。



2020年9月17日木曜日

ホテイアオイの花

ホテイアオイが咲きました!

先月、ご門徒さんから頂いた時、手水鉢とメダカ火鉢に分けて入れたのですが…どういう訳か発育が全然違います。

手水鉢は自然石なので水温が安定しているのか?
紅梅と葉蘭が絶妙な環境を作っているのか?
詳しくはわかりませんが、よほど環境が合っているらしく、どの葉っぱも隅々まで瑞々しく元気で、そして大きく立派な花を咲かせました。

まるで日陰に妖精が舞い降りたような愛らしく可憐な花です♪

【by坊守】

2020年9月15日火曜日

お嬢ちゃんの法話の感想文

今日、お参りに伺ったご門徒さんのお宅で、奥さんから「これ、お住さんに見せようと思って」と原稿用紙を渡されました。
原稿用紙の表と裏に何やら文章が書かれています。
「読んでください。読んでください」と促されて読んでみると、あれ!これって・・・。

先月、こちらのお宅で法事を勤めさせていただいた際に、子どもさんたち数人がお行儀に座ってくれていたので、せっかくなのでその子たち向けにと行った法話の感想文でした。

書いてくれたのは小学5年生のお孫さんです。
「あの日、何か書いているなぁと思ったら、それでしてん。私なんか粗筋しか覚えてませんけど(笑)、よぉ覚えてるでしょう」
「こんだけよぉ聞いてくれたら坊さん冥利に尽きますわ」
「それ持って帰ってください」
「いいんですか」
「学校に出した清書は別の紙に書いてますから」

大人相手、子ども相手に関わらず、常々分かってもらえるかなぁ、伝わっているかなぁとお坊さんも悩んでいるんですよ。
それがこんなに記憶に残ってもらえるなんて・・・お話しさせてもらった甲斐があったなぁ♪と本当に嬉しくて胸がいっぱいになりました。
ありがとうMちゃん、宝物にしますね♪

ー ― ― ― ― ― ― ― ― ―

 『命』

昔、おしゃか様のいとこが鳥を落としました。羽に矢が当たっただけなので、まだ生きていました。
おしゃか様が鳥を見つけました。助けてあげようとすると、
「それは、ぼくがとったものだから、さわらないでくれ。」
といいました。二人は、どちらが正しいか、ちょうろうに聞きに行きました。
ちょうろうは、おしゃか様が正しい、なぜなら、命は愛する人の物だから。と言いました。
なので鳥は、おしゃか様に任せました。

[命は自分だけの物ではない。]

感想文

自殺という言葉があるけれど、自分だけの命と思わずに、自分のことを愛してくれている人の命でもあることを気づきました。
そして今、不要不急のお出かけはしてはいけないといわれています。自分は大丈夫と思わずに、大切な人の命を守るための行動を行いたいと思います。

2020年9月10日木曜日

ブラボー♪とうみょー♪

9月に入りましたが、今年の夏の長雨や猛暑の影響で野菜がとても高いですね。

特に葉物野菜や緑の野菜が高く買うのを躊躇してしまいます。

私が植えて、たくさん実ってくれたキュウリも8月の末には枯れてしまいました。(>ω<、)

そこでお世話になっているのが豆苗です。
使った後も水に入れておけば2回くらいは再生してくれ、娘のお弁当やお料理の色どりに大活躍でした。

みみっちいと言うなかれ!これも主婦の知恵です!(。-∀-) ♪

【by坊守】

2020年9月6日日曜日

境内の苔

夏の暑さにやられているのは人間ばかりではありません。
庭の草木も油断するとしなびてしまうので朝夕水やりは欠かせません。

草木だけではなく庭の生駒石にも。
曽祖父が孫娘である私の母に「暑い時には忘れずに庭石にも水をやってくれ」と言っていたそうです。
本堂の再建で一旦全て更地にしてしまったので今では無くなってしまいましたが、以前の願隨寺境内には絨毯のように庭石にもびっしりと見事な苔が生えていたのです。

それでも曽祖父が大切にしていた生駒石は今も変わらず境内にあり、少しですが苔も生えはじめています。

夏の日差しでカリカリに干からびているように見える苔も少しの水で驚くほどよみがえり、花のようにパッと開きます。


命は不思議ですね。
【by坊守】

2020年9月3日木曜日

寺報9月(表) ―坊守エッセイ―

願海表紙冒頭の法語は「真宗法語カレンダー」の今月の言葉から頂いています。
毎月この法語を読んで文章を考えているのですが……今月の言葉はとても難しいです。

住職は腰痛持ちで定期的にギックリ腰を発症します。
私はギックリ腰になった事がないのでどのくらい辛いのかわかりませんし、何なら「大げさなんと違う?」とと思ってしまいます。
痛みを知って初めて人の痛みを知ることができるとよく言われますが、結局痛みはその人ひとりのもので誰もそれを共有できませんもんね。

この法語は宮城顗先生が九州大谷大学の学生さんに向けてお話しされた時の言葉だそうで、「一人の人間の重さを知る心をもっていろんな人に出会ってください」と講義をむすばれています。

同じ痛みは“共有”できなくても、それでも私も同じように痛みや不安を持つ一人の人間であると“共感”することはできるでしょう・・・そのようにおっしゃっておられるのだと思いました。
先生のお言葉のように、コロナ渦というご時世だからこそ、共感と出逢いを求める心が私たちの救いの鍵となるのではないでしょうか。

【by坊守】

2020年9月1日火曜日

秋期彼岸会法要のご案内

真宗において「彼岸」とは、阿弥陀仏の「浄土」を指します。
浄土は、私たちが還っていく世界であると同時に、迷いの世界である「此岸」に生きる私たちの在り方を照らし、私自身の生き方を問いかけてくださる世界です。
お彼岸は、浄土に還っていかれた亡き人を偲ぶとともに、諸仏となられた亡き人からの問いかけに耳を傾け、いただいたいのちの尊さを振り返る大切な行事です。

>> 法要の際のコロナウィルス感染対策


2020年度 秋期彼岸会法要

日時:9月22日(火) 夜7時~ 8時

(法要の時間は例年の半分の時間で執り行います)