2020年11月29日日曜日

正信偈のお話 十六③

善導独明仏正意 矜哀定散与逆悪
光明名号顕因縁

唐が興ったのは六一八年、善導(ぜんどう)が五才のときです

その後、高祖、太宗、則天武后、玄宗などの王の治政によって民衆の生活は安定していきました。

唐の首都、長安は、文字通り世界的都市になりました。
長安の人口は玄宗皇帝の頃には100万人以上にふくれあがります。
ちなみに八世紀のヨーロッパ第一の都市ローマの人口が45万、パリ20万、ロンドン13万といいますから、長安がいかに大都市であったかがうかがえます。
日本の平安京はこの長安をお手本にしましたが、規模は四分の一にも満たないものでした。

2020年11月24日火曜日

『Withコロナ時代のネット活用術』講座

坊守(お寺の奥さん)会で毎年学習会を行っているのですが、コロナ禍で大人数での開催は難しくなってきました。
ちまたでは対策としてリモート会議やオンラインによる講義の配信が行われるようになってきましたが、私たちにはなんのことやら…。

そこで教区の「出向く教化」を活用して、ホームページ委員会さんにお越し頂き『Withコロナ時代のネット活用術』というテーマで学習会を開催しました。


講師の先生はパワーポイントを使い初心者にもとてもわかりやすい説明をしてくださいました。
また、実際にスマホを使っての検索クイズなど、受講された坊守さん達が楽く参加できるようにもしてくださいました。
Zoom体験では、アプリ取得からご指導してくださり、その場のみんなで実際にルームを作って体験してみることができて、こんな感じになるんや~と実感できました。

あと、委員会が持ってきて下さったYouTuberなんかが使っているという丸い照明が「女優ライトやん♪」だと大ウケでした(笑)。

27組坊守会のため遠方までご足労いただきました教区のみなさま、本日は本当にありがとうございました。

【坊守】


2020年11月22日日曜日

寺報11月(裏) ―住職雑感―

今年はウンカという虫の被害で稲作に多くの被害が出ています。
コロナ禍でも農作物は関係ないと思っていたのに、あちらもこちらも大変です・・・。

ところで人から見れば害虫でも、虫にも命はあります。

昭和の初め頃までは、稲につく害虫を追い払うことを祈願し村人が松明を灯しながらお経や呪文を唱えながら練り歩く「虫送り」という仏事が全国で行われていました。

ただし、駆除された虫を供養する意味もありました。
そこが仏事たるところです。
害虫か益虫かは人間の都合。
その都合で殺してしまうことに申し訳ないという命の感覚を昔の方は持っておられたのですね。

このところの熊の被害についても、被害者の方には心よりお見舞い申し上げますが、熊も人間によって生態系を壊され生きづらくなった被害者。
人間の都合によって駆除された熊の命を悼み供養していただけないものでしょうか。

2020年11月20日金曜日

長島愛生園創立90周年記念式典

国立療養所長島愛生園の創立90周年記念式典に参加してきました。
長島愛生園は、1930年に設立された国が作ったハンセン病療養所の第1号です。
当然治療目的でもありましたが、同時に誤った隔離政策に基づく目的ももっていたことから、入所者とそのご家族の方々に多大なる苦労を与えた施設でもありました。

向かう途中、昼食をとっていると偶然同じ教区のハンセン病問題の委員会の方にお会いしました。
「○○さんも出席されるんですか?」
「私は入所者の□□さんが亡くなられたんでそのお悔やみに。だいたい記念式典なんてお祝い事やないし、私は出ぇへん」
確かにその歴史を考えると複雑な思いを抱くのも然もあらんとは思います。

さて、私は今年から「差別をなくす奈良県宗教者連帯会議(奈宗連)」の議長に就任していますので、その代表として招待されました。
奈宗連では長島愛生園に桜の植樹を行ってきました。
そのことへの感謝を表してということなのですが、本来でしたらその活動を長年続けてこられた先輩方こそ出席に相応しいと思いますので、大変申し訳ない気持ちでの出席でした。

感謝状の贈呈はコロナ禍ということもあり、奈宗連とも関わりの深い「架け橋 長島・奈良を結ぶ会」会長の稲葉様が代表者としてお一人だけ壇上に上がられました。


式典の山本典良園長の挨拶では、新型コロナウィルス感染拡大の中で相変わらず差別が横行し、これまでのハンセン病問題が社会に十分に活かされない無念さを語られていました。
負の歴史から現在、未来へいかに学んでいくか。
確かに祝い事の記念式典ではないのですが、そのことをしっかりと確認するための式典としては意味のあるものだったと思います。

2020年11月17日火曜日

吊し柿

銀杏拾いのついでに収穫してきた渋柿を干しました。

こちらも銀杏同様、今年は不作のようです。
いつもの四分の一くらいでしょうか。50個くらいしかとれませんでした。

たまたま寺に来ていた母が「半分ちょうだい!」と言ったので今年の干し柿は25個しかつくれませんでした。
まあこういう年もありますね。

夕日に光る干し柿が美しいです。
【by坊守】

2020年11月16日月曜日

銀杏泥棒

今年も代務寺院の銀杏を拾ってきました。
でも何だかおかしいんです!

木にはたくさん銀杏がなっているのに、一つも落ちていないなんて日も…。
いつもなら木の下にたくさん落ちているのに?あれ?誰か拾いに来てるのか?と思うほどです。

変だなぁと思っていたところ、とうとうその謎の証拠?を見つけました。
種ごとかじられた銀杏の実が落ちていたのです。
これは何か野生動物が食べているに違いない。

ご門徒さんの話も参考にして調べてみると、どうやらアライグマが怪しい…。
他の動物はあまり手を着けないし、人間は苦労してやっと食べれるようにするのに彼らはいけちゃうみたいです。

来年はアライグマに負けないようにするぞ~。

【by坊守】

2020年11月13日金曜日

報恩講勤修

新型コロナウィルスの日々の感染者数は低空飛行のままですが、ソーシャルディスタンス、換気、除菌、検温を徹底し、規模縮小ではありますが願隨寺報恩講を勤めさせていただきました。

参勤法中は少なく、お勤めの迫力はいつもほどではありません。
法話の講師の先生もお招きせず、住職が短めに行いました。
ここ数年行っておりましたミニコンサートも中止。
そのような中でも、数名の御門徒さんがお参りくださり、お仏事を大切にしてくださる思いに本当に心打たれたことでした。

縮小版になってしまいましたが、例年通りきちんと報恩講をお勤めできましたことを改めて感謝申し上げます。

【by坊守】

2020年11月3日火曜日

寺報11月(表) ―坊守エッセイ―

斑鳩町では法隆寺、法起寺、法輪寺、藤ノ木古墳周辺でコスモスが花盛りです。
これは「歴史的景観と自然環境や田園風景が一体となった斑鳩の里の風景・景観を保全するため」近隣の農家さんの協力を得て栽培されているそうです。

この夢見るように美しい一面のコスモス畑を見ていると「人見るもよし 人見ざるもよし 我は咲くなり」という武者小路実篤の言葉を思い出します。
精いっぱい咲く花の力強さと潔さが感じられ、私の好きな言葉なのですが、「天与の花を咲かす喜び 共に咲く喜び」という言葉の後に続くのだということを最近知りました。

自分で勝手に花咲かせているのではなく天から願われて咲いていて、共に咲く同朋とそれを喜んでいるというのですね。
人の目はどうあれ季節が廻れば共に咲く花ように、私たちも天から願われている命を共に咲かせたいものですね。

斑鳩の郷のコスモスは十一月初旬頃まで見ごろだそうです。こちらは気にかけて見てあげてくださいね(笑)。

【by坊守】