2019年6月20日木曜日

正信偈のお話 道綽決聖道難証⑤

道綽決聖道難証 唯明浄土可通入
万善自力貶勤修 円満徳号勧専称

574年、道綽(どうしゃく)の住む北斉の隣国、北周(ほくしゅう)の武帝(ぶてい)が廃仏令(はいぶつれい)を発します。
武帝は富国強兵を計り、国家の財政を再建するため、仏教や道教の寺院の全廃を含めた行政改革を行いました。
寺院や土地は没収、僧侶は還俗して労働や兵役につかされ、仏像や仏具は回収されて農具や兵器に鋳造し直されました。


このような最中に、14歳の道綽は出家しました。
それは自ら選んだものではなく、飢えに苦しみ、徴兵が迫る少年を心配した母が、我が子の命をつなぐために入寺させたのです。
しかしその翌年、北周の大軍に攻め込まれた道綽の国は滅び、廃仏がなされ、彼はわずか15歳で国を失った追放僧という二重の苦を背負って彷徨う人となったのです。

2019年6月12日水曜日

『歎異抄』朗読の6月分~第二章

『銀杏通信』の「ボイスロイドによる『歎異抄』朗読」の6月分として、第二章をアップしました。

『歎異抄』の第二章は、関東から京都へ数百キロにのぼる危険な旅をしてまで親鸞聖人を尋ねてきてくださったご門徒たちに、親鸞聖人から厳しい言葉が投げかけられる場面です。


ご門徒たちの目的は様々な事情で生じた念仏の教えへの迷いを解決したい、ただその一心!・・・それはそうなのですが、どこかにまだ・・・というかもっと確証が欲しい!と、そういう気持ちがあることを親鸞聖人は見透かされます。

その疑問に対し、親鸞聖人は相手を教え諭すのではなく、自分自身の念仏の信心を率直に告白するということをもって応じます。

聖典朗読『歎異抄』第二章よりぜひご視聴ください。

2019年6月7日金曜日

27組真宗に学ぶ会・第四講 テーマは「幸せ」

「27組真宗に学ぶ会」の第四講が行われました。
今回のテーマは「幸せ」についてです。

講義に先立ち、班ごとに分かれての座談会では、参加者それぞれの「幸せ」についての考えを語りあいました。

人の数だけ幸せの形があり、感じ方があることを改めて感じました。
そして、今が幸せと感じている方もそうでない方も、こうして同じ時間を過ごして同じ講義を聴くことに、きっと意義があるんだろうな…とも感じました。

ある参加者の方が、田んぼの畔の雑草を鍬でかじながら今日のテーマについて考えていたそうで、「その時、今、俺、幸せやな…と思った。日ごろの忙しさに紛れて考えなかった「幸せ」に気づけたのはこの講座を受講していたおかげです」と言っておられたのがとても印象に残りました。
     【by坊守】
 

2019年6月6日木曜日

web連動企画【BOOKSしゃらりん堂】

これも大阪教区のHP『銀杏通信』がらみですが、新コンテンツ「Web連動企画【BOOKSしゃらりん堂】のご紹介です。

大阪教区には教化委員会広報誌『しゃらりん』というものがありまして、その編集部員がお勧めする本の紹介です。
今月末に教区内寺院に発送される『しゃらりん』35号にも二人の委員の方が推薦図書を書いていますが、誰を掲載するかは安易ですがあみだくじで決まりました(笑)。

でも、せっかく書いていただいた原稿がもったいないので、『銀杏通信』上での掲載の運びとなったんです。

私の原稿は時事的なものでしたので今月中の掲載じゃないと…ということでWeb連動企画の第一弾の記事となりました。

私の紹介するのは『同性愛は「病気」なの?』という本です。
内容についてはWeb連動企画【BOOKSしゃらりん堂】を是非ご覧ください。



2019年6月4日火曜日

『銀杏通信』の新コンテンツ「聖典朗読『歎異鈔』」

大阪教区のHP『銀杏通信』に新しいコンテンツが登場しました。
VOICEROIDという読み上げ用音声合成ソフトによる『歎異鈔』の朗読です。

『歎異鈔』の朗読となると、単純にソフトに文章を読ませるのとは全く要領が異なります。
まず仏教用語が正しく読めない。なので言葉を登録しなければなりません。
古文なので正しく読めない。なので読ませる文章の言葉を句切ったり句読点を加えたりしなければなりません。
その上で、機械的な読み上げではなく、違和感を無くすよう、アクセントや間を調節しなければなりません。
結構チマチマした作業で、何度も聞き返したりして大変なんですよ。



で、前序と第一章を作りました。

聖典朗読『歎異鈔』」というページで公開しておりますので、是非聞いてみてください。

ちなみに、このシリーズのために作ったアイコンとイラストは、娘に就職活動で忙しい中、描いてもらったものです。
サンキュー♪(*´∀`*)


2019年6月1日土曜日

寺報6月(表) ―坊守エッセイ―

大学生の娘が就職活動に励んでいます。
希望はいろいろとあるようですが、その一つが自宅から通える職場。

娘は都会のゴチャゴチャが苦手らしく、田んぼが見えない所には住めないそうです。
通園、通学で通った農道の季節折々の風景に愛着を持っているのでしょう。

今日も愛犬の散歩で娘と一緒に農道を歩きました。
「そろそろ水を入れはるなぁ。」「空とか山が田んぼに映って綺麗やなぁ。」と、小吉田の田んぼは今も娘の感受性を育ててくれます。

夜、散歩していると短く「ケケッ」と鳴いて飛び立つ鳥がいます。
子ども達が「田んぼカモメ」と呼んでいたこの鳥は鳧(けり)という鳥なのだそうです。

結構よく見かけるのでどこにでもいるのかと思ったら、ネットで調べると珍鳥と出てきました。
田んぼが無いと生きていけないこの鳥が暮らしていける環境が保たれているのは、大切に田んぼを守っておられる方々のご苦労のおかげです。
いろんなおはたらきに感謝。南無阿弥陀仏。
     【by坊守】