2021年5月20日木曜日

正信偈のお話 十六⑧

善導独明仏正意 矜哀定散与逆悪

光明名号顕因縁

「定(じょう)」(定心(じょうしん)の善)は雑念を離れて心を一つに集中する修行のこと、「散(さん)」( 散心(さんしん)の善)は散漫な心のままですが悪を捨て善を修めようと努力する修行のことでした。
これら定・散の人々を代表するのが『観無量寿経(かんむりょうじゅきょう)に登場する韋提希(いだいけ)という女性です。

次に逆悪(ぎゃくあく)とは、五逆(ごぎゃく)(父、母、聖者を殺す・僧団を壊す・仏身を傷つける)と、十悪(殺す・盗む・犯す・嘘・戯れ言・悪口・二枚舌・貪り・いかり・愚痴)のことです。
この逆悪の人を代表するのが、同じく『観無量寿経』に登場する韋提希の息子・阿闍世(あじゃせ)という国王です。

そして親鸞聖人は、これら定散逆悪なる者とは決してそうした誰か、他者だけを指すのではなく、仏の真実に背き続けている自分自身の姿であると内観(ないかん)されるのでした。

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