2021年5月1日土曜日

寺報5月(表) ―坊守エッセイ―

若葉萌ゆる新緑の季節、木々の新芽はまだ幼く、黄緑色で柔らかくて何だかとっても美味しそう…。
この時期の若い葉っぱにはまだ緑色成分の葉緑素が少なく、葉っぱにもともとあるカロチノイドという黄色い成分と重なって黄緑色に見えるのだそうです。
それが葉緑素がどんどん光合成をして増えていくと、黄色を塗りつぶしていって、日差しの強い夏ごろには濃い緑色に変わるというわけですね。

さて、代務寺院の境内に植えてあるお茶の木にも可愛らしい新芽が沢山出ています。
そこで今年初めて茶摘みをしてみました。

柔らかい葉先を三枚ほどプチプチと摘んで香りの良い茶葉を袋いっぱい収穫。
帰宅してからお茶の作り方をネットで検索し、緑茶作りに挑戦です!
揉んでは低温のホットプレートで水分を飛ばすことを何度も繰り返します。
すると、売っているお茶にはかないませんが、良い香りの爽やかなお茶ができあがりました。

無住のお寺の隅で人知れずたたずむお茶の木。
そんな木の葉っぱが本当にお茶になるのか半信半疑でしたが、予想以上にちゃんとお茶の味がして、お茶の木のその身に備わる力に感動させていただきました。
【by坊守】

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