2020年4月7日火曜日

寺報4月(裏) ―住職雑感―

「五濁」とは人間が抱える五つの濁りのことで、その一つを「劫濁」といいます。

「劫」とは古代インドの天文学的に長い時間の単位のことです。
つまり劫濁とは時代の汚れをいいます。

今回の新型コロナウィルスの流行もそうした時代を背負った問題といえるでしょう。
歴史を見ると交通の発達によって一地域の風土病が世界に広がってきました。
例えば天然痘は、ヨーロッパに伝わったことによりローマ帝国を弱体化させ、大航海時代に今度はヨーロッパ人がアメリカ大陸に持ち込んでアステカ・インカを崩壊させました。

それでも昔は感染拡大に何年も何十年もかかったわけですが、現代は1日で地球の裏側まで運ばれ、数ヶ月で世界に蔓延してしまうことに・・・。

しかし、交通手段ほどに私たちの心は発達しておらず、いとも容易く心は分断。
国同士だけでなく、地域の人同士でも我が身かわいさに走っています。

仏さまが願われる「共に」ということをどうかみなさま忘れないでください。

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