新年明けましておめでとうございます
毎年、年賀状には言葉を添えています。
今年は武内了温の「静かに己れを悲しむこころより 真実の力は生る」。
武内了温は明治生まれのお東のお坊さんで、まだ世間の人は人権という言葉を知らない頃から、社会の中で苦しむ人たちと共に手を取り合い、共に涙された方です。
昔に比べて現代が善くなったのかというと、人権問題に限らず、社会の中にも、家庭の中にも、個人の中にも、時代時代でまた新しい問題が生まれてきて、相変わらず悩ましいことだらけです。
本当はこうあるべきなんだろうなぁ・・・本当はこうしたいんだけどなぁ・・・と思いつつも、それができない自分の弱さがあります。
そんなときに、「だってしょうがない」と開き直るところに悲しみはありません。
「申し訳ないなぁ」と思うところに悲しみは生まれてきます。
そういう悲しみを抱き続けるところから、本当に人間らしい真心が生まれてくるのではないでしょうか。
静かに己れを悲しむ心より、ご門徒のみなさまにはお念仏の心が、世界中の人たちには優しさという花が芽生えることを願い、年頭の挨拶とさせていただきます。
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