2019年5月1日水曜日

寺報5月(表) ―坊守エッセイ―


年号が令和に改まりましたね。

三十年前の平成が始まった時は昭和の天皇陛下の容態が連日報道され自粛ムードの中だった為、どこか物悲しく今のようなおめでたい雰囲気は全くなかったことを思い出します。

当時私は高校三年生、その日は高校が休校になったので友人と出掛けたものの、どこへ行っても休業でやることもなく駅のベンチで時間を潰していました。
出歩く人も少なくて、まるで世の中の時間が止まってしまって、日本中が息を潜めているかのようでした。

あの頃はまだ得度もしていなくて、和裁も着付けも習っていなくて、三十年後の自分が寺に暮しているなんて考えもしませんでした。
両親に庇護される事が当たり前の生活の中で、小さな不満や屁理屈や生意気な夢を語っていたように思います。
私が気づけなかっただけで、許され、願われ、見守られていたにも関わらず…。

私の愛用の楽器はあの年に両親に買ってもらったものです。
今も変わらず両親の庇護の中にいる私です。
     【by坊守】

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