2019年4月1日月曜日

寺報4月(表) ―坊守エッセイ―


三月の末から咲き始めた桜に先駆けて、ユスラウメの可愛い花が満開です。

下の子が幼稚園に入園した頃、自転車の前と後ろに子ども達を乗せて送り迎えする私に「私もそうやって息子と娘を自転車に乗せてましたよ。今が一番良い時ですよ」と声をかけて下さった方がおられました。

その時は深くは考えませんでしたが、折々に今のひと時は二度とはない大切な瞬間なのだと思うようになりました。

娘も息子も手元におりますが、あの頃の幼い娘の柔らかい髪にも、息子のすべすべふくふくのほっぺにも、もう触れる事は出来ません。
それはあの時にしかないものだったんです。

今年娘は二十二歳、息子は二十歳を迎えます。
この子たちが巣立っていくまで何年あるのかわかりませんが、家族そろって食卓を囲む日常の、今この時を大事にしたいと思います。

大切な事を教えてくださった方はもうそんなことは忘れていらっしゃるかもしれませんが、両親だけではなく、様々なご縁で私を育て
てくださる皆様に感謝を捧げます。
     【by坊守】

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