2019年4月26日金曜日

正信偈のお話 道綽決聖道難証③

道綽決聖道難証 唯明浄土可通入
万善自力貶勤修 円満徳号勧専称


道綽(どうしゃく)は出家・在家の区別なく念仏することを勧めたので、念仏は広く世間に行き渡りました。

子どもたちを集めては、升に盛った小豆粒を称名一遍に一粒ずつ他の升に移させて念仏の回数を数えることを教えました。
それによって7歳以上の者はみな念仏をとなえるようになったといいます。

また彼は、木楼子(むくろじの実)をつないで数珠を作り、それで念仏を数えさせました。
数珠はインドで、もとバラモンが用いていたものですが、後に仏教でも用いるようになりました。
中国の仏教史では記録による限り道綽の用いたものが最も古い例です。

2019年4月14日日曜日

菜の花のトンネル

大和川にかかる沈下橋、正しくは『大城橋』(だいじょうばし)というらしいですね。
奈良県内に唯一遺った「沈下橋」だそうです。

この時期は橋の両側に菜の花が綺麗です。
車を運転していると左右に菜の花だけが見えるので菜の花のトンネルをくぐっているような気持になります。
     【by坊守】

2019年4月11日木曜日

「おはなまつり」の表白・その二

表白集の「おはなまつり」の大人用が私の担当。
子ども会用は後輩の吉内くんが作りました。

出来上がってきたものは、私を含め凡庸な坊さんの常識を越えるスゴイものでした(笑)。
みなさん、童心に返ってお読みください。


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「おはなまつり」(子ども会用)

しろいぞうだぞう
きょうはとってもうれしいぞう
そらからあまいあめがふってくるぞう
どうぶつもみんなうたいだすぞう
はなもいっぱいさくんだぞう
さあさあ みんなでよろこぶぞう
たのしいこともいっぱいあるんだぞう
つらいこともいっぱいあるんだぞう
かなしいこともいっぱいあるんだぞう
いっぽいっぽあるくんだぞう
そらをみんなでゆびさすぞう
だいちもみんなでゆびさすぞう
みんなみんなありがとうだぞう
なんだかとってもゆかいだぞう
さあさあみんなでうたうんだぞう

甘茶の 茶 茶 茶
甘茶の 茶 茶 茶
茶 茶 茶 甘茶の 茶 茶 茶
空からきらきら あまいあめ
みんなわくわく 歌いだす
お花もいっぱい 咲きほこり
かける甘茶の 茶 茶 茶

2019年4月8日月曜日

「おはなまつり」の表白

4月8日はお釈迦さまの誕生日です。


この日を祝ってお寺では「おはなまつり」が催されます。

さて、現在、大阪教区の出版委員会では表白(法要の際、趣旨や願いを本尊に対して表明する言葉)集を制作中で、その原稿依頼が来ました。
私の担当は「おはなまつり」。
以下、私の提出原稿です。

編集会議で手直しが入るかもしれませんから、完成した本では若干変わっているかもしれませんが、手放したものはどうなりとご随意に・・・というのが私のスタンス(笑)。
どんな本が出来上がってくるのか楽しみです♪

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「おはなまつり」(花御堂の前にて)

お釈迦さまのお誕生日「おはなまつり」に集う私たち一同、阿弥陀如来ならびにお釈迦さまに敬って申し上げます。

親鸞聖人は『正信偈』に、「如来所以興出世 唯説弥陀本願海」と、お釈迦さま誕生の理由を謳われました。
すなわち、量りなく隔てなく障りない大いなる「いのち」、その「いのち」をいただく全ての生きとし生けるものが、共に等しく救われていきますように。
この、阿弥陀如来の妙なる願いを私たちに伝えんがために、お釈迦さまはこの世界にお生まれになってくださったのです。

そして、一、二、三、四、五、六、七。
お釈迦さまは、お生まれになるとすぐに七歩歩いて、天と地を指さして声をあげられました。
共に大いなる「いのち」をいただく私たちへ、自らの尊さにどうか目覚めてくださいと、お釈迦さまが初めて阿弥陀如来の願いをお説きになられた言葉。
それこそが「天上天下唯我独尊(天にも地にも、ただ我ひとりとして尊し)」でありました。

そして、このようなお釈迦さまという掛け替えのない方がこの世界に現れたことを、空が喜び、宇宙が喜び、甘露の雨を降らせたと伝わっています。

ああ、いのち湧き上がり、色とりどりの花が咲き誇る、この春の好日。
私たちの心にも花を咲かせよと呼びかけてくださるそのお姿に、今年もこうして出会うことがかないました。

お釈迦さま、改めて阿弥陀如来の願いをお説きくださったご恩に、「おはなまつり」に集うもの一同、御礼申し上げます。
南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏。

2019年4月1日月曜日

寺報4月(表) ―坊守エッセイ―


三月の末から咲き始めた桜に先駆けて、ユスラウメの可愛い花が満開です。

下の子が幼稚園に入園した頃、自転車の前と後ろに子ども達を乗せて送り迎えする私に「私もそうやって息子と娘を自転車に乗せてましたよ。今が一番良い時ですよ」と声をかけて下さった方がおられました。

その時は深くは考えませんでしたが、折々に今のひと時は二度とはない大切な瞬間なのだと思うようになりました。

娘も息子も手元におりますが、あの頃の幼い娘の柔らかい髪にも、息子のすべすべふくふくのほっぺにも、もう触れる事は出来ません。
それはあの時にしかないものだったんです。

今年娘は二十二歳、息子は二十歳を迎えます。
この子たちが巣立っていくまで何年あるのかわかりませんが、家族そろって食卓を囲む日常の、今この時を大事にしたいと思います。

大切な事を教えてくださった方はもうそんなことは忘れていらっしゃるかもしれませんが、両親だけではなく、様々なご縁で私を育て
てくださる皆様に感謝を捧げます。
     【by坊守】