[前編へもどる]
旅行へ出かけてもいつもの時間に起きてしまいます。朝6時日課の犬の散歩へ愛犬ぬきで出かけました(笑)。
あわら温泉は田んぼの真ん中で井戸を掘ったら温泉が出て温泉地になったとのことですが、本当に周りは見渡す限りの田園地帯で、早朝の散歩にはのどかでいい感じのところでした。
散歩の途中、田中温泉薬師神社というところを見つけました。知り合いの吉野の金峯山寺のお坊さんが「その土地、その土地に行ったら、そこの氏神さんにお参りしましょう」と常々おっしゃられるのを思い出して手を合わせていくことに。あちらは神仏習合、真宗は神祇不拝ですが、通りかかったのも何かのご縁と思いましてパンパンと。
朝食を済ませ、「ホテルまつや千千」さんを後に。さあ二日目の研修の始まりです。
真宗では毎日のお勤めの際に『正信偈』の後に『御文』を拝読しますが、その『御文』を書かれたのが、浄土真宗中興の祖・蓮如上人(1415~1499)です。
蓮如上人はお念仏の布教を活発に行ったため、それを快く思わない比叡山延暦寺衆徒による本願寺破却にあいます。命からがら布教を続けながら各地を転々とされ、文明3年(1471)にこの地に坊舎を建てたのが吉崎御坊の起源です。
現在の本堂は延享4年(1747)に建立されたものだそうです。
吉崎を後にして、途中昼食をとり、今回の研修の最後の目的地、「真宗出雲路派本山・毫攝寺」へ。
本堂でお参りした後、ご門徒さんがしてくださっているガイドさんの案内で通称「御山」と呼ばれる千歳山に上がり、見玉尼のお墓、本光坊了顕のお墓、加賀千代女の句碑、蓮如上人像他に一つひとつ足を止めて解説してくださいました。
ところでガイドさん、段々のってこられまして、説明を超えて語りは自らの半生と人生観までいたり絶好調に!楽しく勉強になりましたが、予定時間を大幅にオーバーしてしまい蓮如上人記念館にさく時間がほとんどなくなってしまうことに……。でも、こうした信心の篤いご門徒さんが北陸の真宗王国とよばれる風土を培ってこられたんだなぁと思える方でした。
出雲路というのは、親鸞聖人が山城国愛宕郡出雲路(現在の京都府京都市北区)に一宇を草創されたことを由来とし、それを長男の善鸞に附与されたと伝えられていることから開祖を親鸞、第二代を善鸞とされてきました。しかし近代の研究によると東西本願寺の第三代覚如の高弟乗専が京都出雲路に毫摂寺を創建したのが始まりのようです。
そして、後の出雲路派第五代善幸上人のとき(1338)に越前水落(鯖江市)に移転し、第十一代善照上人のとき(1596)に現在の地に移り今に至るそうです。
他の宗派さんの歴史も聞いてみると実に面白いものです。