2024年2月15日木曜日

寺報2月(表)―坊守エッセイ―

 暦は春になっても、まだまだ厳しい冷え込みが続きますね。願隨寺境内の白梅の枝にたくさんの蕾がついていますが、朝夕の寒さにギュッと閉じたままで開花はもう少し先のようです。

 年始の事になりますが、今年のお正月は一人暮らしをしている息子が久しぶりに帰省しました。去年の修正会は仕事で不参加、お盆の永代経は台風で電車が止まり帰省できずだったので、息子が法要に出仕するのは実に二年ぶりです。普段めったに連絡もよこさず我が道をいくタイプの息子が、お節用にと鯛を捌いて聞いたこともない横文字の料理を作ってくれました。

 自分のやりたい事を見つけて修行中の身ですが、充実した日々を過ごしているようです。そんな中でも願隨寺の行事の時には帰ってきて出仕せねばならんと思ってくれることは、親としても寺を預かる身としてもとても嬉しく思います。

 息子の人生はまだまだこれからです。この先どのような世界が彼の前に開けるのか分かりませんが、ここ願隨寺の阿弥陀様の前に待つ者がいることを忘れないでいて欲しい
と思います。

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