2021年12月20日月曜日

寺報12月(裏)―住職雑感―

県の人権集会で、北九州でホームレスの自立支援をされている奥田知志さんの講演がありました。

ハウスレスとホームレスという二つの困窮があり、前者は経済的困窮のことで、住まい、食べ物、収入がない…といった状況。
後者は社会的孤立のことで、家族、役割、心配してくれる人がない…といった状況。
そして、この両方が重なると、世間一般でいうところのホームレス、路上生活者になるのだそうです。

このお話を聴講して思ったのは、社会的孤立に限らず、家族を超えたこの世界とのつながり、単なる役割を超えた生きる意味、心配してくれる人を超えた真に私を支えてくれる存在、そういう「ホーム」がレス、欠けている。
それは「いのちのホームレス」なのではないか。

現代は衣食住に関して豊かな社会です。
しかし、確かなつながりがない、心の安らぎがない。
私の魂、いのちが落ち着くところ、帰るところ、そういう意味でのホームがない人は多いのではないだろうかということです。

宗教とその教えは、本来、そういう意味でのホームです。
願隨寺はみなさまのご先祖さまのいのちのホームであるだけでなく、今を生きるみなさまのホームでもありたいと思います。

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