善導独明仏正意 矜哀定散与逆悪
光明名号顕因縁
[二河白道③]
「あぁ、戻っても、じっとしていても、進んでも、どのみち私は死ぬのだ」
八方ふさがりの状況に愕然とする旅人でしたが、そこに一つの覚悟が生まれます。
「そうだ、いずれにせよ死から逃れられないのなら、敢えてこの道を進んでみようではないか。
道は既にある。
きっと渡すために道がついているに違いない」
そう旅人が決心したとき、誰もいないと思っていたこちら側の岸で声がしました。
「旅人よ、躊躇わずにその道を行きなさい。
怖がらなくてもよい。
ひたすらにたずねて進むのです。
そうすればこの難を逃れることができるでしょう」 ~つづく
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