善導独明仏正意 矜哀定散与逆悪
光明名号顕因縁
[二河白道②]
目の前の危険な大河に慄く旅人は、これはとうてい渡るのは無理だと引き返そうと後ろを振り返りました。
すると、なんと片方からは盗賊が、もう一方からは野獣や毒虫がゾロゾロと群れをなして、自分を殺そうと近づいてきているではありませんか。
これはいけないと逃げだそうにも、進む先には火と大波の河。
旅人は思います。
「あぁ、私は今日死ぬのだ。
ここでウロウロしていても彼らによって命を奪われてしまうだけ。
かといって河の間の西へ向かって伸びるあの細すぎる道はとうてい渡れない・・・」 ~つづく