2021年6月10日木曜日

寺報6月(裏)―住職雑感―

夕飯中にエリック・カールさんの訃報のニュースが流れました。

妻も私も大好きで、子どもたちも大変お世話になった絵本作家さんです。
特に有名な『はらぺこあおむし』は、鮮やかな色彩で、「食べる」そして「育つ」ということが、シンプルに活き活きと描かれた作品です。

各々思い入れがあり、しばし我が家は『はらぺこあおむし』トークに。

そんな中の娘の一言、「あいつ、全部ちょっとずつ食べて穴開けていきよんねん(笑)」と。
確かに私たちからするとちょっとお行儀が悪いことですよね。
でも自然界では必要なだけ食べたら後は残す。
そして残りは他の生き物が食べ尽くすことによって無駄なく命の糧となっていきます。

でも人間は、必要以上に食べるし、残りをゴミにしてしまいます。
日本では、まだ食べられるのに廃棄される食品、いわゆる「食品ロス」は年間600万トン。
これは世界中で飢餓に苦しむ人々に向けた世界の食料援助量420万トンの1.4倍に相当します。
その援助も追いつかず餓死していく子どもたちは、なんと5秒に一人もいます。

「食べる」そして「育つ」という命の自然な営みが誰にでもそうあってほしいと、今、久々にページをめくりながら絵本を味わっています。

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