寺報2月(表) ―坊守エッセイ―
普段何気なく誰かと会話をする時、みなさんは頭の中で何を考えてますか。
相手は何を伝えたいのか、それを自分はどう受け止めるのか・・・とかですよね。
でも、私の場合は「次に自分が何を話すか(どう返答するか)」で頭の中でいっぱいになってしまって、相手の言葉をちゃんと聞けていない事が多々あります。
ちゃんと聞いているつもりでも、その言葉の中から自分が気になる言葉や関心のあるなしを勝手に選んで理解したつもりになっています。
でもそれはすでに私の基準で内容を判断してしまった話であって、相手が本当に伝えたかったこととは違ったモノになっているのかもしれません。
母と話す時、「今日こそは母の言葉を素直に聞こう」と思うのですが、ついつい反発してしまいます。
ああ言い返そうこう言い返そうと考えている間に本当の想いを見逃しているのでしょうね。
母の言葉も仏様の教えも、すでに届いているものを素直に受け取れない私に、親鸞聖人は「聞く」ことによってこそ自身の姿が明らかになるのですよと教えてくださいます。
【by坊守】
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