2024年1月3日水曜日

今月の表白 一月

敬って阿弥陀如来の御前に白して言さく。それ以みるに、新たなる年を迎え言祝ぐといえども、徒らに齢を重ねるは、めでたくもあり、めでたくもなし。願わくは我等、喜びにつれ悲しみにつれ、今年もまた深く仏祖の導きを仰ぎつつ、念仏もろともに謹みて聖教を読誦し奉る。

 新年明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

 さて、昨年から法事のときだけでなく、月参りの際にも始めに表白(ひょうびゃく)をあげています。表白とは「表敬告白(ひょうけいこくはく)」という言葉を略したもので、仏さまへの敬いの気持ちを表し、感謝や自らの誓いを申し告げるという意味です。
 型どおりの表白はありますが、表白はお聖教ではなく各々が心を込めて申し上げるものですので、いくつかの決まり事はあるものの自分で考えるのが本筋です。ですので一年十二ヶ月分がんばって自分で作りました。

 今月の表白はとんちで有名な一休禅師の「門松は冥土の旅の一里塚 めでたくもあり めでたくもなし」の歌からとっています。一休さんは人間の髑髏を刺した竹竿を手に持ち、この歌を詠みながら浮かれておるなよと正月ムードの京の町を練り歩いたといいます。

 確かに新しい年を迎えられたことは誠に嬉しいことでもありますが、同時に寿命が一年縮まったわけですから手放しでは喜べません。み仏の教えを聞きひらきながら、限られた人生を疎かにすることなく、今年もこうして賜った命を大切にしてゆきたいものです。

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