2023年9月5日火曜日

寺報9月(表)―坊守エッセイ―

お盆行事がひと段落した8月末日、娘と伊勢旅行に行ってきました。
大谷専修学院の修学旅行以来なので実に30年振りのお伊勢参りです。

江戸時代には「一生に一度は伊勢参りに行くべき」と大流行したそうです。
とくに60年に一度の爆発的な流行は「おかげ参り」と言われて数百万単位の人が神宮に押し寄せたそうで、伊勢参宮絵図にはその賑やかな様子が描かれています。

その絵図の中に必ず描かれているのが主人の代わりに伊勢参りをする犬たちの姿です。
この首にしめ縄と路銀の入った巾着をぶら下げた「おかげ犬」達は、伊勢参りの人々や街道沿いの人々から大切にもてなされ手助けをしてもらったそうです。
人々は飼い主の願いを健気に運ぶ無垢な存在を世話をすることで、自らの願いもまたおかげ犬に託したのかもしれません。

福島県須賀川の十念寺には、シロという犬の像が残っています。
シロは病気で伊勢参りできない主人に代わって二か月かけて伊勢参りをして、神宮のお札をもらって帰ってきたといわれています。
我が家のすずちゃんはぼんやりしてますから、そんな大仕事やりとげるなんて絶対無理でしょうね。
【by坊守】

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