2022年3月1日火曜日

寺報3月(表)―坊守エッセイ―

寒さの中にも少しずつ春が近づいているのが感じられますね。

思えばマスク生活も丸二年が経とうとしています。
始めの頃、マスクをしてのお勤めは息が苦しくて酸欠で頭がクラクラするわ、声はモゴモゴするわ、鼻水は垂れるわで大変でした。
お聞き苦しい事もあったのではないかと思います。

学生時代にある先生が、「あなた方もご門徒様宅のお内仏にお参りすることがあるだろうが、自分の力でお勤めしている気になったらアカンよ」とおっしゃいました。
声を出しているのは私だけれど、それは阿弥陀様の願いが自分に届いた現れであり、その願いに目覚められたお釈迦様、親鸞様が伝えて下さった言葉です。
そしてそれはそれぞれのお宅のご先祖様方が守り伝えて下さったものです。
きっと先に往かれた方々が諸仏となって導き見守って下さるので、こんな私でも安心してお勤めすることができるのだと思います。

当初は苦しかったマスクでのお勤めも、次第に肺活量が鍛えられたのか今では気にならなくなりました。

芽吹きの春、お浄土から見ていて下さる諸仏の笑顔を胸に明るい声でお勤めしてまいります。
【by坊守】

0 件のコメント:

コメントを投稿