年賀状に添えた言葉は、江戸時代の真宗大谷派の僧侶、一蓮院秀存の詠んだ歌です。
秀存は美濃の生まれで、たいへん賢く十四歳で京へ上り、高倉学寮(後の大谷大学)に入り学僧(仏教の研究者)となった人物です。
「世の中の常なきことの知らるるは仏の道に入るはじめなり」の歌のように、思いがけないことや不都合が自分自身や人生を見直す契機となります。
例えば、親や大切な人の存在のかけがえのなさは失って初めて身に染みることが多く、それをご縁に〝仏さまに手を合わせる〟心が芽生える人は少なくありません。
また、環境破壊やコロナ禍など大きな変化が押し寄せている昨今ですが、それによって大切なことが失われつつある危機感は、人間のあり方を見直す機縁にもなります。
本当に大切なものを失ってしまう前に、人として変わってはならない心と、それを明らかにしてくださる仏さまの教えを、共に大切に守っていきたいものです。
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