去年の今頃は、まさかこの時代に戦争が始まるなんて有識者ですら思いもしませんでした。
早いものでもう一年、今日もウクライナの人々は極寒の中を苦しみ続けています。
対するロシア兵の中にもきっと自分たちの行いに疑問を持ち苦しんでいる人もいることでしょう。
『法句経』の「すべての者は暴力におびえる。すべての生きものにとって生命は愛しい。己が身にひきくらべて、殺してはならぬ。殺さしめてはならぬ。」というお釈迦さまの言葉が切実に感じられます。
UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)の方の現地レポートの中にこんな一文がありました。
「ミサイル攻撃の後、緊急停電した夜。懐中電灯を照らしながら家へと帰っていたら、周りがみんな空を見上げていて。何事かと思って見上げると、星が本当にたくさん見えた。街があまりにも暗くて、空が変に明るかった。綺麗なのか、悲しいのか、よくわからなかった。」
こうした悲しい状況を作り出す人間の業を嘆かざるをえませんが、同時に、そんな中でも美しいものに感動できる人間という存在に愛おしさも感じるのです。